図1 Earth NullSchool Ocean Currents Map,
図2 Earth NullSchool Ocean Currents Map,
https://earth.nullschool.net/#current/ocean/surface/currents/orthographic=-239.67,2.09,1248
世界のデジタル・データの約95%は、海底ケーブルを経由しており、世界を行き交うデータ量は年率約35%の伸びを示す。
米国と東南アジアを結ぶ海底ケーブルは、日本を経て南シナ海を通じて各国につながるのが主要ルート。東南アジアでは、マラッカ海峡に11本、シンガポール海峡には22本の海底ケーブルが走る。
23年6月、シンガポール政府は、今後10年で海外とつなぐ海底ケーブルの数を2倍にする計画を発表。同国にはデータセンターや巨大IT企業の拠点が集中する(共同通信)。
一方、海上交通路のチョークポイントに集中する海底ケーブルの脆弱性への懸念が強まる。過去5年で台湾に絡む海底ケーブルが27回切断されたとの報告も。
米巨大IT企業は、米国本土や日本からフィリピン東方、インドネシアの領海を通り、南シナ海を避ける新ルートを開発中。今後ASEAN諸国の経済発展が継続すれば、迂回ルートの沿岸国インドネシアの「地政学的要衝」としての重要性がさらに高まる可能性も。
海底ケーブルの重要性と脆弱性が、新たな地政学的要衝を生む可能性がある。
海底ケーブルを流れる膨大なデジタル・データを新たな動的要素と位置づけるとすれば、この点からも地政学の“アップデート”が必要になるだろう。
図3 Source: TeleGeography, Submarine Cable Map