図1 |
ハルフォード・マッキンダー(1861-1947) オックスフォード大学地理学科学長。王室地理協会(英国貴族たちの探検クラブ)会員、保守党の下院議員も経験。 ①世界は閉鎖された空間になった、②人類の歴史はランドパワーとシーパワーによる闘争の歴史、③これからの時代はランドパワーの時代、④ハートランド(東欧)を制するものが世界を制する。 ランドパワーとシーパワーが交じり合う地域では紛争が起こりやすい。東欧とその後背地が欧州全域の平和・安全保障にとって決定的に重要な空間。 |
オランダ生まれ、ジャーナリストを経て第一次世界大戦後カリフォルニア大学で学士・修士号取得、後にイエール大学の国際問題研究所所長。「国土のサイズは相対的な国力の強さに影響を及ぼし、天然資源の存在は、人口密度や経済構造に影響を与える。近隣諸国との位置関係は潜在的な敵と対峙する位置を定義する。地形は国家のまとまりや統一性に影響を与えるため国力を左右する。気候は交通機関や農産物の種類の限度を決めており、国家の経済構造や特に対外政策を左右する」
ニコラス・スパイクマン『平和の地政学―アメリカ世界戦略の原点』(芙蓉書房出版)
図2 |
アルフレッド・セイヤー・マハン(1840-1914) 「シーパワー」の本質、海軍の役割、そしてシーパワーを行使・運用する原則を理論化「生産」「海運」「植民地」という循環する三要素が海洋国の政策のカギであり、それを支える商船隊と海軍力と根拠地をシーパワーと総称。「シーパワー」とは「海軍力の優越によって制海権を確立し、その下で海上貿易を行い、海外市場を獲得して国家に富と偉大さをもたらす力」と定義。 「制海権が戦局にとって決定的に重要な要素」→「制海権を握り、戦略的に重要な地点を確保した国が歴史をコントロールする。歴史の示すところでは、国力、富、国家の威信、安全は、巨大なシーパワーの所持と、その巧みな運用の副産物だ」。海上戦略の本質は、「通商のための制海権の争奪」であり、もっとも迅速かつ効果的な戦略は、決戦海域での敵海軍の撃滅、敵植民地の孤立化、敵港湾の封鎖、重要海峡の封鎖である、と主張。原材料供給地及び市場としての植民地と本国との間をつなぐシーレーン沿いに、海軍艦隊と商船のための海外根拠地=基地(ハワイやグアムなどがその例)を確保することが不可欠、と説いた。 |