2019年版 PHPグローバル・リスク分析

 PHP総研グローバル・リスク分析プロジェクトは、来たる2019年に日本が注視すべきグローバルなリスクを展望する「2019年版PHPグローバル・リスク分析」レポートをまとめ、このたび発表いたしました。
 本レポートは、まず「グローバル・オーバービュー」において、各リスクがおかれているグローバルな文脈を描き出します。その上で、2019年に日本が着目すべき10のグローバル・リスクのポイントとその日本へのインパクトを提示していきます。そして、分析全体をふまえて、日本の政策への全体的なインプリケーションを考察します。いくつかの注目トピックスについてのコラムも掲載しています。
 先進国から新興国へのパワーシフト、ハイパー・グローバリゼーションへの揺り戻し、エマージング技術による社会や産業の刷新という「新しい現実」を背景に、政治・経済・テクノロジーが密接に連関し、リスク同士が複雑に相互作用するようになっています。こうした時代においては、国際政治、地域研究、国際金融、国際経済、エネルギー、サイバー等の専門家が参加する「PHPグローバル・リスク分析」のように、多様なバックグラウンドの専門家が一堂に会してグローバルなリスク要因を集中的、体系的に検討する意義はますます大きくなっていくものと思われます。
 国境を越え、複雑に連関するリスクは、様々な経路で企業経営や政府活動に影響を与えます。本レポートが世界のダイナミックな変化の本質を捉える一助になることを願ってやみません。

Global Risks 2019

  • 1.米中間で全面化するハイテク覇権競争
  • 2.大規模スポーツイベントへのサイバー攻撃とネット経由のIS浸透
  • 3.米中対立激化で高まる偶発的な軍事衝突リスク
  • 4.複合要因が作用し景気後退に転落する米国経済
  • 5.自国第一主義が誘発する欧州統合「終わりの始まり」
  • 6.大国間競争時代に勢力伸長を狙うロシア
  • 7.焦る中国の「手のひら返し」がもたらす機会と脅威
  • 8.増幅する朝鮮半島統一・中立化幻想と米韓同盟危機
  • 9.米国の対イラン圧力政策が引き起こす中東不安定化
  • 10.米中覇権「再規定」の最前線になるラテンアメリカ

【内容】

<目次>

  • はじめに
  • リスク俯瞰世界地図
  • グローバル・オーバービュー
  • グローバル・リスク2019
  • 日本にとっての政策的インプリケーション
  • 【コラム】米国で高まる白人右翼のテロ・リスク
  • 【コラム】世代交代と「暴君リスク」
  • 【コラム】重要インフラにおけるUSBメモリの新たな脅威
  • ※2019年1月23日に、「2019年版PHPグローバル・リスク分析」レポートの英語概略版を公開いたしました。
「グローバル・リスク分析」2019年版

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※2019年1月23日に、「2019年版PHPグローバル・リスク分析」レポートの英語概略版を公開いたしました。
2019_PHP_Global_Risk_Analysis

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PHP総研グローバル・リスク分析プロジェクト

飯田将史
/防衛研究所地域研究部中国研究室主任研究官
1972年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。同大学院政策・メディア研究科修士。スタンフォード大学修士(東アジア論)。専門は中国の外交・安全保障政策と東アジアの国際関係。スタンフォード大学と米海軍大学で客員研究員も勤めた。著書に『海洋へ膨張する中国』(単著、角川SSC 新書)、『中国―改革開放への転換』(共編著、慶応義塾大学出版会)、『チャイナ・リスク』(共著、岩波書店)等がある。
池内 恵
/東京大学先端科学技術研究センター教授
1973年生まれ。東京大学文学部イスラム学科卒。同大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。専門はイスラーム政治思想、中東地域研究。著書に『現代アラブの社会思想―終末論とイスラーム主義』(講談社)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社)、『シーア派とスンニ派』(新潮社)など。『イスラーム国の衝撃』(文藝春秋)で2015年度の毎日出版文化賞・特別賞を受賞。2016年度の中曽根康弘賞・優秀賞を受賞。『フォーサイト』(ウェブ版、新潮社)で連載「中東危機の震源を読む」とブログ「中東の部屋」および「池内恵の中東通信」を担当。
金子将史
/政策シンクタンクPHP総研首席研究員
1970年生まれ。東京大学文学部卒。ロンドン大学キングスカレッジ戦争学修士。松下政経塾塾生等を経て現職。外交・安全保障分野の研究提言を担当。著書に『パブリック・ディプロマシー戦略』(共編著、PHP研究所)、『日本の大戦略―歴史的パワー・シフトをどう乗り切るか』(共著、PHP研究所 )、『世界のインテリジェンス』(共著、PHP研究所)等。「国家安全保障会議の創設に関する有識者会議」議員等を歴任。外務省「科学技術外交推進会議」委員、同「ジャパン・ハウス有識者諮問会議」委員。国際安全保障学会理事。
菅原 出
/国際政治アナリスト/グローバルリスク・アドバイザリー代表
1969年生まれ。アムステルダム大学卒。東京財団研究員、英危機管理会社勤務を経て現職。著書に『「イスラム国」と「恐怖の輸出」』(講談社現代新書)、『戦争詐欺師』(講談社)、『秘密戦争の司令官オバマ』(並木書房)等がある。安全保障・テロ・治安リスク分析や危機管理が専門で邦人企業や政府機関等の危機管理アドバイザーをつとめている。
田島弘一
/株式会社日本格付研究所 調査室長
1952年生まれ。千葉大学人文学部法経学科卒。信託銀行で国際部門、運用部門を経験、証券では経営向け調査を担当、同時に国際金融情報センターのシニアアドバイザーを兼務し現在に至る。カーターショック、オイルショック、プラザ合意、ブラックマンデイ、バブル崩壊、不良債権問題、金融危機、同時テロ、リーマンショックなどを身近で経験したことから、政治、軍事、外交、経済 、金融、市場はジグソーパズルとみて、金融インテリジェンスの実践者として活動しながら、政策提言活動も続けている。
中島精也
/福井県立大学客員教授
1947年生まれ。横浜国立大学経済学部卒。ドイツifo経済研究所客員研究員(ミュンヘン駐在)、九州大学大学院非常勤講師、伊藤忠商事チーフエコノミストを経て現職。丹羽連絡事務所チーフエコノミストを兼務。著書に『傍若無人なアメリカ経済ーアメリカの中央銀行・FRBの正体』(角川新書)、『グローバルエコノミーの潮流』(シグマベイスキャピタル)、『アジア通貨危機の経済学』(編著、東洋経済新報社)等がある。
名和利男
/サイバーディフェンス研究所専務理事/上級分析官
1971年生まれ。航空自衛隊において、信務暗号・通信業務/在日米空軍との連絡調整業務/防空指揮システム等のセキュリティ担当(プログラム幹部)業務に従事。その後、国内ベンチャー企業のセキュリティ担当兼教育本部マネージャー、JPCERTコーディネーションセンター 早期警戒グループのリー ダを経て、現職。他にも、複数の役職を兼務。専門分野であるインシデントハンドリングの経験と実績を活かして、CSIRT構築 及びサイバー演習の国内第一人者として、支援サービスを提供している。現在、サイバー脅威インテリジェンス関連情報の提供に力を入れている。
馬渕治好
/ブーケ・ド・フルーレット代表
1958年生まれ。東京大学理学部卒。マサチューセッツ工科大学スローンスクール経営科学修士。米国チャータード・ファイナンシャル・アナリスト(CFA)。(旧)日興證券等を経て現職。国際経済・証券金融市場分析が職務。著書に、『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)、『投資の鉄人』(共著、日本経済新聞出版社)、『投資のプロはこうして先を読む』(日本経済新聞出版社)。日本経済新聞夕刊「十字路」の執筆担当者のひとり。
保井俊之
/慶應義塾大学大学院SDM研究科特別招聘教授
1962年生まれ。東京大学教養学科卒。国際基督教大学博士(学術)。研究テーマは社会システム、ソーシャルデザイン、ダイアローグと協創、システム×デザイン思考等。著書に『「日本」の売り方―協創力が市場を制す』(角川one テーマ21)、『中台激震』(中央公論新社)、『体系 グローバル・コンプライアンス・リスクの現状』(共著、きんざい)、『ふるさと納税の理論と実践』(事業構想大学院大学出版部)』、『無意識と「対話」する方法』(ワニプラス)等。2010と11年度の日本コンペティティブ・インテリジェンス学会論文賞を2010・11 年度、2012と13年度の日本創造学会論文誌の論文賞をそれぞれ受賞。

これまでの「グローバル・リスク分析」

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