2016年版 PHP グローバル・リスク分析

 PHP総研グローバル・リスク分析プロジェクトは、来たる2016年に日本が注視すべきグローバルなリスクを展望する「2016年版PHPグローバル・リスク分析」レポートをまとめ、このたび発表いたしました。国際政治、地域情勢、国際金融、国際経済、軍事、エネルギー、サイバーの専門家が集中的な検討を行い、その結果を、代表執筆者が中心になってまとめたものです。

 2016年版は、2012年版以降通算第5回目のレポートとなります。各リスクがおかれているグローバルな文脈を描出する「グローバル・オーバービュー」、日本が注目すべき10のリスクについての分析、我が国にとっての全体的な含意を考察する「日本にとっての政策的インプリケーション」という構成は従来同様ですが、読者のみなさまにとってより読みやすいように大幅にスタイルを一新しました。新しい企画として、グローバル・リスクの観点から見て気になるBuzzwordを取り上げて解説しています。

 世界各地の様々なリスクへの関心が高まる中、本レポートが皆様の活動に有益な視点を提供することを願ってやみません。

Global Risks 2016

  • リスク1. 中国経済悪化と国際商品市況低迷に挟撃されるアジア中進諸国
  • リスク2. 止まらない中国の海洋進出が招く緊張の増大と拡大
  • リスク3. 深まる中国依存と主体思想の狭間で揺れ動く北朝鮮
  • リスク4. テロと移民問題がもたらすEUの亀裂と反統合の動き
  • リスク5. グローバル化するISILおよびその模倣テロ
  • リスク6. 加速するサウジアラビアの国内不安定化と原油市場の混乱
  • リスク7. 地域覇権をめざし有志連合内で「問題児化」するトルコ
  • リスク8. 選挙イヤーが宙づりにする米国の対外指導力
  • リスク9. 金融主導グローバル化の終焉で幕が開く、大企業たたきと「P2P 金融」時代
  • リスク10. 加速するM2M/IoTが引き金を引くサイバー脅威の現実化

【内容】

<目次>

  • はじめに
  • グローバル・オーバービュー
  • グローバル・リスク2016
  • Buzzwords 2016
  • 日本にとっての政策的インプリケーション
  • PHPグローバル・リスク分析の推移(2012―2016年)
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PHP総研グローバル・リスク分析プロジェクト

【代表執筆者】

畔蒜泰助
/東京財団研究員兼政策プロデューサー
1969年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。モスクワ国立国際関係大学国際関係学部修士。専門はロシア国内政治、ロシア外交政策、ロシアのエネルギー戦略。露ヴァルダイ・クラブのメンバー。著書に『「今のロシア」がわかる本』(三笠書房・知的生きかた文庫)、『原発とレアアース』 (共著、日経プレミアシリーズ)がある。
飯田将史
/防衛研究所地域研究部北東アジア研究室主任研究官
1972年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。同大学政策・メディア研究科修士。スタンフォード大学修士(東アジア論)。専門は中国の外交・安全保障政策と東アジアの国際関係。スタンフォード大学と米海軍大学で客員研究員も勤めた。著書に『海洋へ膨張する中国』(単著、角川SSC新書)、『中国―改革開放への転換』(共編著、慶応義塾大学出版会)等がある。
池内 恵
/東京大学先端科学技術研究センター准教授
1973年生まれ。東京大学文学部イスラム学科卒。同大学総合文化研究科博士課程単位取得退学。専門はイスラーム政治思想、中東地域研究。著書に『現代アラブの社会思想―終末論とイスラーム主義』(講談社)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社)など。『イスラーム国の衝撃』(文藝春秋)で2015年度の毎日出版文化賞・特別賞を受賞。『フォーサイト』(ウェブ版、新潮社)で連載「中東危機の震源を読む」とブログ「中東の部屋」および「池内恵の中東通信」を担当。
柿原国治
/航空自衛隊幹部学校副校長 空将補
1964年生まれ。防衛大学校卒、筑波大学院地域研究修士、米国防大学国家安全保障戦略修士。財団法人世界平和研究所主任研究員等を経て現職。著作に、『弾道ミサイル防衛入門』(金田秀昭著、執筆参加、かや書房)、「安定の鍵としての対中カウンター・バランス―柔軟抑止・同盟抑止の実効性向上に向けての一考察」(『アジア研究』Vol60(2014)NO.4)、「米国の戦略岐路と新相殺戦略」(『海外事情』2015年2月号)等。
金子将史
/政策シンクタンクPHP総研首席研究員
1970年生まれ。東京大学文学部卒。ロンドン大学キングスカレッジ戦争学修士。松下政経塾塾生等を経て現職。外交・安全保障分野の研究提言を担当。著書に『パブリック・ディプロマシー戦略』(共編著、PHP研究所)、『日本の大戦略―歴史的パワー・シフトをどう乗り切るか』(共著、PHP研究所 )、『世界のインテリジェンス』(共著、PHP研究所)等。「国家安全保障会議の創設に関する有識者会議」議員等を歴任。外務省「科学技術外交推進会議」委員、同「ジャパン・ハウス(仮称)有識者諮問会議」委員。国際安全保障学会理事。
菅原 出
/国際政治アナリスト
1969年生まれ。アムステルダム大学卒。東京財団研究員、英危機管理会社勤務を経て現職。著書に『「イスラム国」と「恐怖の輸出」』(講談社現代新書)、『戦争詐欺師』(講談社)、『秘密戦争の司令官オバマ』(並木書房)等がある。国際情勢を深く分析する有料メールマガジン「菅原出のドキュメント・レポート」(週1回発行)が好評を得ている。
竹中正治
/龍谷大学経済学部教授
1956年生まれ。東京大学経済学部卒。京都大学博士(経済学)。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行後、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストなどを経て2009年より現職。著書に『稼ぐ経済学、黄金の波に乗る知の技法』(光文社2013年)、『米国 の対外不均衡の真実』(晃洋書房2012年)他多数。
田島弘一
/株式会社日本格付研究所参与
1952年生まれ。千葉大学人文学部法経学科卒。信託銀行で国際部門、運用部門を経験、証券では経営向け調査を担当、国際金融情報センターを経て現在に至る。プラザ合意、ブラックマンデイ、バブル崩壊、不良債権問題、金融危機、同時テロなどを身近で経験したことから、政治、軍事、外交、経済 、市場はジグソーパズルとみて、金融インテリジェンスの実践者として活動しながら、政策提言活動も続けている。
中島精也
/丹羽連絡事務所チーフエコノミスト
1947年生まれ。横浜国立大学経済学部卒。ドイツifo経済研究所客員研究員(ミュンヘン駐在)、九州大学大学院非常勤講師、伊藤忠商事チーフエコノミストを経て現職。著書に『傍若無人なアメリカ経済ーアメリカの中央銀行・FRBの正体』(角川新書)、『グローバルエコノミーの潮流』(シグマベイスキャピタル)、『アジア通貨危機の経済学』(編著、東洋経済新報社)等がある。
名和利男
/サイバーディフェンス研究所専務理事/上級分析官
1971年生まれ。航空自衛隊において、信務暗号・通信業務/在日米空軍との連絡調整業務/防空指揮システム等のセキュリティ担当(プログラム幹部)業務に従事。その後、国内ベンチャー企業のセキュリティ担当兼教育本部マネージャー、JPCERTコーディネーションセンター早期警戒グループのリーダを経て、現職。他にも、複数の役職を兼務。専門分野であるインシデントハンドリングの経験と実績を活かして、CSIRT構築及びサイバー演習の国内第一人者として、支援サービスを提供している。現在、サイバー脅威インテリジェンス関連情報の提供に力を入れている。
馬渕治好
/ブーケ・ド・フルーレット代表
1958年生まれ。東京大学理学部卒。マサチューセッツ工科大学スローンスクール経営科学修士。米国チャータード・ファイナンシャル・アナリスト(CFA)。(旧)日興證券等を経て現職。国際経済・証券金融市場分析が職務。著書に、『株への投資力を鍛える』(東洋経済新報社)、『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)。日本経済新聞夕刊「十字路」の執筆担当者のひとり。
保井俊之
/慶應義塾大学大学院SDM研究科特別招聘教授
1962年生まれ。東京大学教養学科卒。国際基督教大学博士(学術)。九州工業大学客員教授を兼務。著書に『「日本」の売り方―協創力が市場を制す』(角川one テーマ21 新書)、『中台激震』(中央公論新社)、『体系 グローバル・コンプライアンス・リスクの現状』(共著、きんざい)、『システム×デザイン思考が世界を変える』(共著、日経BP)、『REVICによる地域の再生と活性化』(共著、金融財政事情研究会)等。2010と11年度の日本コンペティティブ・インテリジェンス学会論文賞を2010・11 年度、2012と13年度の日本創造学会論文誌の論文賞をそれぞれ受賞。

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