「地元から出ていた人間」の強みを生かして
地元の人々の発案で始まった桜ライン311(写真提供:NPO桜ライン311)
住民自らが考える地域の未来
こうして始まった「SAVE TAKATA」の活動。この取り組みを礎に、次の展開として岡本さんが現在取り組んでいるのが、「桜ライン311」の活動だ。
「米崎町の仮設住宅の自治会長をやっている佐藤一男さんから、相談したいことがあると呼ばれたんです。そこで桜ラインの原型になる話をしてもらって」
佐藤さんは、現在桜ライン311の副代表を務めている。緊急支援から、陸前高田市の「これから」を考えるプロジェクトへの節目だった。
「実は僕、すごくうれしかったんです。当時、支援と言えば外部の人による緊急支援的なものばかりでした。そんな中で、地元の方から、地域の復興とか、町のこれからを考えた取り組みが生まれようとしていたんですから」
NPOなど外部から来た人々が中心となって取り組んでいる復興支援活動を、地元の人たちで担う復興活動にしていく。その受け皿のモデルになっていきたいと、岡本さんは考えている。
「陸前高田市の津波の到達地点に桜の木を植えて、後世に残すということをやっています。全長170kmくらいになると計算しているんですが、10mおきに1本くらいの間隔で植えたいと思っています」
トータル1万7,000本の桜並木。この桜並木は何を目的にしているのか。