「地元から出ていた人間」の強みを生かして

NPO桜ライン311 岡本翔馬

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陸前高田市内の様子(2013.10.22撮影)

避難所の事情にあった支援者を
 
 例えば炊き出しを申し出る支援者がいたら、どれだけの提供が可能かヒアリングするところから仕事は始まる。
 
「何人分くらいを想定しているのか、炊き出しに必要な資材は一式そろっているのか、どんなメニューを考えているのか、調理スタッフは何人いるのかといったことを、それぞれの支援者から聞き取るんです」
 
 次に、ヒアリングの結果を踏まえて、支援者を最適な避難所に振り分けていく。
 
「100人の避難所なら、100人分の資材を持っている支援者に行ってもらうのがいちばんいいですよね。50人分送り込んでも、50人は食べられないんじゃしょうがないし、持てる能力を最大限発揮できないところに割り当ててももったいないだけですから」
 
 市内に点在するさまざまな規模の避難所を把握し、「今回の支援者は、この避難所に」と割り振りを判断する。だが、避難所の条件は、避難者の人数だけではない。
 
「その頃は学校や公民館などが避難所になっていたんですが、調理器具の揃い方もまちまちだったんです。一中のように早い段階で冷蔵庫やガスコンロがそろった学校もあれば、なにひとつ持っていない避難所もある。そういうところには、炊き出しに必要な道具を一式持っている支援者をあてないといけないんですよね」
 
 マッチングと言葉にすると簡単だが、日々移り変わる避難所の事情を把握しながら、お互いのニーズに見合った支援となるようつなぐのは骨の折れる仕事だった。

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