政策提言「新しい勤勉(KINBEN)宣言―幸せと活力ある未来をつくる働き方とは―」【2】

磯山友幸(経済ジャーナリスト)×小林庸平(三菱UFJリサーチ・アンド・コンサルティング副主任研究員)×鈴木崇弘(PHP総研客員研究員)

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4.人口減少と働き方の関係
 
鈴木 本提言の将来推計のように、人口が減少する中、現在いる人口で日本社会をどう維持し、成長し豊かで幸せな社会にしていくかを命題として考える必要があります。他の人やロボット・機械で代替せず貴重な労働力を奪っていたら、日本は存続できない現実が起きつつあるわけです。
 
磯山 機械で代替できる時代になり、多くの仕事は淘汰されるでしょう。消えた年金記録が問題になりましたが、コンピューターで置換できる仕事を、機械ではダメだとか旧来の権利にこだわる人がいたために、人も組織もダメにして、逆効果になった事案だと言えます。
今後は移民の議論も本格的に始まると思いますが、それは、人口減少の現実を反映して毎年賃金が上がり、有効求人倍率も上昇し続けているからです。景気がよくなればなるほど人的資源が足りなくなる中で、人間がやるべき仕事とは何かを考える必要があります。
 
鈴木 アベノミクスがある意味で成功したので、今人が不足し、ファストフードのお店なども時給を上げても人が集まらないという現実が起きている。
 
小林 労働力人口の減少は1990年代から底流として徐々に進んでいて、悪い景気でいままでは潜在化していたものが、景気が改善して顕在化したのですね。
 
磯山 景気好転はまだまだこれからです。景気が本当に良くなったら、バイトの時給が2000円を超えますよ(笑)。そうなった瞬間に働き方を根本的に変え、生産性を上げ1人ひとりに複数の仕事をしてもらわざるを得なくなる。だからこそ、制度を変えるべきだという根本に戻っていくのです。
 
鈴木 それは、人、金、モノ、施設・設備などのあらゆるものを社内でフルセットでもった形でやるという従来の仕組みも違ってくることですね。働き方と連動して、企業の新しい形態や経済活動が生まれるでしょうね。
 

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