中国の対外援助

前田宏子 ((株) PHP総合研究所 研究員)

Talking Points

  • 中国の対外援助は1950年代から始まっており、その目的・方法は国内外の情勢の推移によって変化してきた。改革開放以降は、経済利益の獲得が重視されるようになったが、政治的影響力拡大のための手段としても、依然として有効だと考えられている。
  • 中国は対外援助について内政不干渉の原則を掲げており、そのことは欧米からしばしば批判の対象になる一方、中国国内や受入国からは評価されることも多い。中国の対外援助は国益重視である。
  • 日本は、ODA削減の流れを止め、日本が実施する援助のアピールに、もっと力を入れるべきである。中国の援助に対してアドバイスを行い、ときに協力して他国への援助を実施することが、日中の戦略的互恵関係の強化にもつながる。また、中国をはじめ、OECDに加盟していない援助供与国を含んだ援助の枠組み作りに取り組んでいくべきである。
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