国家ブランディングと日本の課題

金子将史 ((株) PHP総合研究所 主任研究員)

Talking Points

  • 近年、国家に対するイメージが競争力や国際政治上の立場を左右するとの認識が広がり、「国家ブランド」や「国家ブランディング」への関心が高まっている。
  • 国家ブランドは、コミュニケーション上の工夫だけで改善されるわけではなく、あくまで当該国家が競争力のあるアイデンティティを確立しているかどうかが重要である。
  • 国家のブランディングは、一朝一夕になしえるものではなく、組織間調整や政治的適切性などの困難な課題にも取り組む必要がある。
  • 日本における国家ブランディングの議論には、(1)国家ブランドが何を指し、どのような機能をもつか不分明(2)コンテンツ産業を過度に重視(3)発信すべきブランド・アイデンティティが不明確(4)発信力強化に関心が偏重(5)日本ブランドのどこに問題があるか、実態の検討が不十分、といった特徴がある。
  • 実効性のある国家ブランド政策を形成するには、まず国家ブランドや国家ブランディングについての知的な研究を積み重ねる必要がある。
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