松下幸之助と観光立国

島川 崇 (PHP総合研究所 コンサルティング・フェロー/東洋大学准教授)

Talking Points

  • 観光の振興は鳩山内閣でも継続されることとなり、前原誠司国土交通大臣は就任会見の中で、自身が財団法人松下政経塾で学んだことに触れて、「観光立国」という名前を初めて使ったのは松下幸之助であることを紹介した。
  • 経済の面だけではない観光の多様な効果を観光学者クレバドンは整理・主張しているが、これを松下幸之助は50年以上も前に看破していた。
  • 観光は地域発展の「打ち出の小槌」ではなく、使い方を誤れば「両刃の剣」にもなりうる。特に地元に根ざしていない大企業や中間者に観光開発の主導権を握られ、地元の人々が地域の将来をイメージできなかったときには往々にして問題が生じている。
  • 松下幸之助は、観光立国の根幹に流れる思想が「相互扶助」「持てるものを他に与える博愛精神」にあると説いている。観光事業者が常にベネフィットを享受するだけだった「資源」側に対しても、観光は何らかの貢献を行うことができないかと発想することを、松下幸之助は奨励しているようにみえる。
  • 日本が「観光立国」として世界にアピールするためには、単に国内の観光地を外国人に紹介するにとどまらず、観光の意味を再考し、名実ともに「観光は平和へのパスポート」を実現していく必要がある。
policy_v4_n20

本文を読む
PDF

View more

注目コンテンツ