義務教育費国庫負担金の加配定数分を税源移譲せよ
―教職員定数制度の見直しに向けた提言―

亀田徹 ((株) PHP総合研究所 教育マネジメント研究センター長 主席研究員)

Talking Points

  • 都道府県が負担する教職員給与費の1/3を国が負担するのが、義務教育費国庫負担金である。国庫負担の根拠となる教職員定数は、学級担任等のための「基礎定数」と、特定の課題に対応するための「加配定数」に分かれている。
  • 加配定数分の負担金には、以下の問題点がある。
    (1)実情を把握していない国が加配定数の配分を決め、自治体の自主性を阻害していること
    (2)国と自治体との間に上意下達の関係を生むこと
    (3)国の配分結果に沿って教職員配置数が決まるので、自治体における住民への説明努力が不足すること
  • 自治体の自主性を確立するため、加配定数分の負担金は税源移譲により一般財源化すべきである。基礎定数の一定割合を加配定数の標準と定め、加配定数分の給与費を地方交付税の基準財政需要額に算入して地方財政措置を講じる。
    他方、全国一律の教職員配置を確保するため、基礎定数についてはこれを最低基準としたうえで、基礎定数分の給与費を国庫負担の対象とする。
  • この制度改正により、加配定数の決定に関する自治体の自主性が確保される。自治体の住民には、必要な教職員が配置されているかどうかのチェックが求められるようになる。教職員配置に対する住民の関心が、教育の質の向上につながることが期待される。
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