パンデミックと米中ハイテク覇権
―『Voice』2020年6月号 総力特集―

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、人びとの生命と健康を脅かすとともに、政治や経済、社会のあり方にも巨大なインパクトを及ぼしています。国家間関係やバランス・オブ・パワー、世界認識の変化も加速し、国際秩序は本格的に再編されることになりそうです。

とりわけ注視しなければならないのは、コロナ危機がハイテク覇権競争に与える影響です。グローバル・サプライチェーンの脆弱性や相互依存のリスク、行動履歴等個人データの利活用のあり方、研究開発やイノベーションにおける競争と協力など、ハイテク覇権競争に関わる様々な論点が、パンデミックを契機にして一挙に顕在化した感があります。

AIやビッグデータ、自動化をはじめ、今日の革新的テクノロジーは、安全保障面、産業面での優劣を決定的に変える可能性があり、ハイテク覇権競争は、権力政治、価値観、国際秩序などをめぐって多次元で展開され、アフター・コロナの国際秩序を方向づけるでしょう。パンデミックとハイテク覇権競争が織りなす複雑な構図の中心に位置するのは米中ですが、自らの強みを生かして独自の動きを展開する他の国々の動きも見逃せません。巨大プラットフォーマーをはじめとする企業も無視できない存在であり、その位置づけや政府との関係があらためて問われています。

政策シンクタンクPHP総研は、ハイテク覇権競争がコロナ危機と相互作用することで世界がどう変わるのかを多面的に検討すべく、月刊誌『Voice』2020年6月号の総力特集「パンデミックと米中ハイテク覇権」に企画協力いたしました。米中ハイテク対立の展望(エドワード・ルトワック氏)、エコノミック・ステイトクラフトへの日本の対応(甘利明氏)、グローバル・サプライチェーンのあり方(戸堂康之氏)、国家とプラットフォーム企業のあるべき関係(山本龍彦氏)、中国が進めるデジタル・シルクロードの戦略的含意(大澤淳氏)、ハイテク分野の戦略プレイヤーとしてのインドの重要性(武鑓行雄氏)についての本格的な論考がそろいました。PHP総研が4月に発表した「PHP Geo-Technology戦略研究会」の提言報告書の内容をパンデミック危機と関連づけながら紹介した一文(金子将史)も掲載されています。

本特集を、コロナ危機後の世界の本質を捉え、日本がとるべき針路について建設的な議論を行なうにあたっての材料にしていただければ幸いです。

【内容】

<総力特集「パンデミックと米中ハイテク覇権」>

<特別企画「感染症と人類の岐路」>

  • 長谷川眞理子/野放図な資本主義への警告だ
  • 御立 尚資 /コロナ後の世界を創る意志
  • 本村 凌二 /「ローマ型独裁制」から学ぶべきもの
  • 詫摩 佳代 /WHOは保健協力の世界政府ではない
  • 瀬名 秀明 /私たちは「人間らしさ」を問われている 

<ご購入はこちらから>

『Voice』2020年6月号

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