【政策提言】歴史活用による地域活性化戦略
― 先人を活かした心そだて、人づくり、まちづくり―

多くの地域が今、人口減少と活力低下、地域の担い手不足、社会全般のモラル低下という深刻な問題に直面しています。各地で地方創生の取り組みが続けられていますが、行き着くところ、地域まちづくりの成否のカギを握るのは「人」です。地域の現状は現場でしか打開できないからです。地域への愛着、誇り、憧れ、共感、当事者意識を持った住民らが一人でも多く育ち、主体的に考動し、まちづくりに参画していく内なる力を高めていかなければ、地域の持続可能性は確保され得ないでしょう。

 

その手がかりを、政策シンクタンクPHP総研は、ふるさとの歴史と先人に求めました。いかなる地域にも、歴史を切り拓き、継承してきた先人が必ずいるからです。先人に着目すれば、短期的な経済効果だけでなく、長期にわたってまちづくりに与えるポジティブな効果、すなわち、「レガシー」を見出し、未来に向けた地域課題の解決策を着想できるはずです。

 

こうした課題意識の下、PHP「歴史まちづくり」プロジェクトは、地域活性化に向けて、歴史と先人に注目すべき理由、見出すべきレガシー、その活用に必要な制度的位置づけ、具体的な政策を研究し、その成果を本提言として総括しました。その過程では、2008年の発足以降、ふるさとの先人を活かした、心そだて、人づくり、まちづくりに取り組んできた、国内14自治体から成る「嚶鳴(おうめい)協議会」(協議会長:鈴木淳雄愛知県東海市長)の活動実績と知見を最大限反映しました。

 

提言では、自治体が『歴史活用による地域活性化』を実現していくための、3つの政策の柱、体系、具体的な政策を示しています。「心そだて」では、これをまちづくりの起点とし、先人のレガシーの見出し、シビックプライドの醸成を、「人づくり」では、人材育成のメカニズムの構築、コミュニケーションポイントの戦略的配置、自治体連携の促進を、「まちづくり」では、先人を活かす政策体系や成果目標の設定、組織マネジメントの確立、先人活用をテコにした教育・学習環境の整備を提案しています。

 

ご高覧いただき、歴史を活かした地域活性化を進めるための新たな視点、各地域における具体的な政策を考える際のご参考にしていただければ幸いです。

PHP「歴史まちづくり」プロジェクトメンバー

佐々木陽一
(政策シンクタンクPHP総研 主席研究員兼シニアコンサルタント)
寺田昭一
(政策シンクタンクPHP総研 シニアコンサルタント)
大山耕介
(PHP研究所 月刊『歴史街道』編集長)

【内容】

<提言書目次>

【はじめに】

【分析篇】

1章 地域まちづくりの現状と課題

  • 1.減る人口、縮む活力(まちづくりの課題)
  • 2.地域の担い手の不足(人づくりの課題)
  • 3.モラルの低下(心そだての課題)
  • 4.求められる地域づくりの内力

2章 なぜ、歴史と先人に注目すべきなのか

  • 1.「らしさ」の源泉
  • 2.まちづくりの火種
  • 3.人を引きつける磁力
  • 4.心そだて、人づくり、まちづくりの潤滑油

3章 先人のレガシーと効果

  • 1.先人のレガシー
  • 2.先人のレガシーの活用効果

4章 先人の政策的位置づけと活用への課題

  • 1.心そだて(ハートウェア)の取り組み
  • 2.人づくり(ヒューマンウェア)の取り組み
  • 3.まちづくり(ハードウェア)の取り組み
  • 4.先人活用の政策的課題

【提言編】

 提言「先人を活かした心そだて・人づくり・まちづくり」のための10の政策

  • 1.先人を活かした地域まちづくりの3つの柱
  • 2.先人を活かした心そだて、人づくり、まちづくりの政策体系
    • 【提言1】「心そだて」をまちづくりの起点にする
    • 【提言2】先人のレガシーを見出す
    • 【提言3】「ふつうのまち」こそ、シビックプライドの醸成に力を注げ
    • 【提言4】先人を活かした人づくりのメカニズムを構築する
    • 【提言5】「コミュニケーションポイント」を戦略的に増やす
    • 【提言6】自治体連携で歴史まちづくりを牽引する人材を養成する
    • 【提言7】先人を活かす明快な政策体系を構築する
    • 【提言8】先人政策の成果目標を設定する
    • 【提言9】先人を活かせる組織マネジメントを確立する
    • 【提言10】先人活用をテコに、より良質な教育・学習環境を整備する
【政策提言】歴史活用による地域活性化戦略 ―先人を活かした心そだて、人づくり、まちづくり―

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