株式会社アバンティ 代表取締役 渡邊智惠子 (聞き手:PHP総研 山田花菜)

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――渡邊さんは最初は環境問題から入って、労働者の搾取、とくに児童労働の問題などにも気が付かれたということでしたが、オーガニックコットンの事業を行うことによって、そうした課題が改善されている実感はありますか?
 
渡邊:テキサスではもともと児童労働の課題はなかったんですが、インドに関しては児童労働の撤廃と予防に取り組むACEというNGOの活動を支援し、定期的に情報交換をしています。インドの現地にも2年に一度くらい様子を見に行っていますし、私たちが取り扱っているオーガニックコットンについては、児童労働は行われていないものと信頼しています。
 テキサスもインドも、原綿も供給してくれる方々の顔が見えていますし、みんな有機栽培認証の第三者認証をクリアしていますが、認証条件には児童労働や労働者への搾取がないというものも含まれていますから、その点でも安心しています。
 さらに原綿から最終製品に至るまでの生産工程にもGOTS(グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード)という基準を設けています。
 たとえば原綿がいくらオーガニックでも、糸や生地をつくるとき、漂白・染色したり柔軟剤や防縮剤を入れたりすると、それを洗い流す過程で水を汚染して環境にダメージを与えることになります。GOTSでは使用する漂白剤や染料の基準も定めていますが、環境にいちばん影響を与えないのは、生成りの糸や生地です。また、そうして最終製品が出来上がるまでのすべての過程で児童労働や労働搾取がないことも条件のひとつに定められています。
 そうした基準をすべてクリアした製品だけがオーガニックコットン製品としてGOTSの認証が得られます。いま、日本、イギリス、ドイツ、アメリカの4カ国でこのグローバルスタンダードをつくっているのですが、毎年会合を開いて、この基準の見直しもしています。
 
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――栽培だけではなく、さまざまな工程に基準があるのですね。オーガニックコットン事業に長く携わってきて、なにか変化を感じる部分はありますか?
 
渡邊: 私はPRISTINEというブランドで20年間オーガニックコットンの製品を扱っていますが、アパレル業界全体が伸び悩んでいる中で、うちは着実に伸びているんです。リピーターのお客様が多いんですね。
 それから、私がどうしてもやりたいのは、布おむつの普及です。いまは紙おむつを使っている家庭が圧倒的に多いんですが、紙おむつってすごく性能が良くて、3回くらいおしっこしても、あんまり気持ちが悪くない。一方で、布おむつは一度おしっこをすると冷たくて気持ちが悪いから、「ママおしっこ」って言いますよね。そうしたらママはきれいなおむつに取り換えてくれる。お母さんのほうも気を付けて、こまめに見ますよね。そうすると、子どもに、お母さんはいつも自分を見ててくれる、気持ち悪くなったらすぐに気持ちいいものに取り換えてくれるって安心感と信頼が芽生えて、親子の絆になっていくと思うんです。
 生理用のナプキンも同じです。紙ナプキンより布ナプキンを使ったほうがいい。紙ナプキンも布ナプキンも、おしっこや血がゼリー状に固まって身体を冷やしてしまうんです。だから私は布おむつと布ナプキンをもっと使ってほしいですね。
 

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