――事業を始められた28年前はさらにシェアも知名度も低かったと思いますが、渡邊さんがオーガニックコットンに出合われたきっかけはなんですか?
渡邊:環境問題に高い関心を持っていたイギリス人の知り合いから、輸入商材のひとつとして、オーガニックコットンの輸入を頼まれたことです。その頃はオーガニックコットンのことなんてまったく知らなかったのですが、会社の業績拡大につながるのならと、やってみることにしました。現在は原綿を輸入して、糸から生地、最終製品まで作っていますが、最初はオーガニックコットンを原料にした生地の輸入から始めました。1993年からは、テキサスのオーガニックコットン農家と契約を結んで、原綿を仕入れています。
――オーガニックコットンとして認証されるためには、3年以上農薬を使用していない土壌で栽培されていなければならないですよね? 環境への負荷などを考えて、農薬を使った栽培からオーガニックコットンの栽培に切り替えることにした場合、土壌がクリーンになるまでの3年間は農家の方はどうされているのでしょうか。
渡邊:オーガニックコットンへの移行期間ということで、うちで買っていました。「トランジショナル」という扱いにしていましたが、オーガニックコットンの基準には達していないので、通常のコットンとして売るわけです。
――なるほど。3年間コットンの栽培ができなくて無収入になるとしたら相当ハードルが高いと思ったのですが、移行期もサポートされてきたのですね。