すべての人が、思いを自分の仕事に込められるように

NPO法人クロスフィールズ 代表 小沼大地

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――留職プログラムの派遣者には、エンジニアなど専門技術を持たれている方が多いようですが、営業職の方も参加されていますね。これは、本人が希望して参加されるんですか? それとも、会社側が幹部候補の人材を指名して派遣するのでしょうか?
 
小沼:両方のパターンがありますが、公募が多いですね。ある企業さんは選抜研修の一環として留職プログラムを導入されているので、幹部候補のハイポテンシャル人材を指名して派遣されていますが、その場合でも僕たちのほうで面接をさせていただいています。実は面接で落とすこともけっこうあるんです。2015年5月までに留職プログラムで派遣された方は約70名ですが、その裏には残念ながら不合格だった方もかなりの数いらっしゃいます。
 
――なかなか厳しいですね。面接では、どんなことを見られているんですか?
 
小沼:大きくは「Will」「Mind-set」「Skill-set」の3点です。
 
Willというのは、この機会を通じて成長したいという意思や、新興国社会に対して貢献したいという意思を持っているかどうか。
 
Mind-setは、色々な要素がありますが、自分自身と向き合える人かどうかが大きいです。現地に行って大変な状況になったときに、「なんとかしてくれない現地の団体のせいだ」「この環境のせいだ」といった考え方をするような人では、留職しても苦しいだけですよね。いろいろな壁にぶつかったときに、それを自分事として捉えて、「いま、自分になにができるのか」ということを逃げずに考えられないと、自分の成長につなげられないので、過去の経験などを丁寧に聞くようにしています。
 
そして最後に、Skill-setです。現地に貢献できるだけの技能・スキルがあるか、そして、それを発揮できるだけの最低限の英語力があるかを見させていただきます。面接では、実際に英語でお話をさせて頂いて、TOEICの点数では測れないような英語でのコミュニケーションスキルを確認しています。
 
――クロスフィールズでは留職を通して育成を目指すグローバルリーダー像として、7つの条件を挙げられていますね。1、ゴールを描く力」「2、対話する力」「3、巻き込む力」「4、挑戦する力」「5、やりきる力」「6、現地の課題を理解する力」「7、社会の未来と組織の未来を切り拓く力」。実際に留職を経験された方々から、いちばん大きな変化を感じられるのはどの辺りですか?
 
小沼:企業や個人によって求めるものが違うので、一概には言えないのが難しいところではありますが、まず、この7つの条件のうち、1から5の条件は、ピュアリーダーシップエレメントだと考えています。6と7については、クロスフィールズならではのソーシャルな視点も入ったリーダーシップの条件と言えますが、1から5については、これまでお話してきた20数社すべてで、目指すべきリーダー像として共有していただけていると感じています。その中で会社によって課題を感じられている部分はさまざまですが、敢えて言えば、「うちの社員には1と2がなくて、3、4、5はある」という企業さんが多い傾向があります。
 
なので、1が弱いと感じられていた方が、留職プログラムでこれまでと違うフィールドに放り込まれて、なにを取り組むのか一から決めるという経験をすることで、「自分でゴールを設定するということをやってみたのが、すごくいい経験だった」という評価をいただくことが、いちばん多いですね。いちばん大きな変化が起きているのもそこだと言えると思います。

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