受けたい教育を選べるしくみに
法案の実現に向けて
「多様な学び保障法」に向けて奥地さんたちが取り組んでいる活動はどんなものだろうか。
「3つあるんです。ひとつめは、いまつくっている『実現する会』。先日、実践交流研究集会をやったんですけど、この会を充実させていきたいんです」
法律そのものの内容を検討して、よりいいものを目指す。だが、法案が通ったとき、内容の検討にかかわるためには、社会的な信頼を得ていなければならない。まずはそのために、実践交流研究集会を開き、学びを深めているところだ。
「次に、理解者を一般の方々に増やしていくということ。いろんなところで学習会を開いたり、会合は持てなくてもパンフレットを配るとか、ウェブで発信するとか、いろんなかたちで広報に取り組んでいます」
東京シューレの活動に興味をもつ大学生も多く、彼らの協力も理解を広げる大きな力になっている。
「最後は、議員に対する働きかけです。議員立法になると思うので、国会の方々に理解していただかないと。議員さんの中にも理解の濃淡がありますが、関心の高い方とのパイプを大事にすることで、ほかの方々にも声をかけていただけるんですよね」
電話やFAXで事務所にフリースクール世界大会などの活動案内を送るといった地道な活動からパイプづくりをはじめ、関心を示した議員にはさまざまなプログラムに参加してもらい、理解を深めて仲間になってもらう。
「大変なのは、文科省とか厚労省とのパイプ。大臣も担当者もよく代わって、代わるたびにゼロに戻ってしまうので、苦労しています」
ほんとうに「草の根」という言葉のふさわしい、地道で堅実な活動。それは着実に実を結びつつあると言っていいだろう。