ハコモノ改革を自治体経営自立化への突破口とせよ

穂坂邦夫 ((株)PHP総合研究所 コンサルティング・フェロー/NPO法人地方自立政策研究所理事長、元・埼玉県議会議長、前・志木市長)

Talking Points

  • 民主党政権は、国の事業仕分けを、公開の場で、国民参加によって実施した。これ は、国・地方とも財政状況が逼迫するなかでは重要な取り組みといえるが、税金をムダにしない政治・行政システムを実現するためには、本来、国・都道府県・市町村について同時に事業仕分けする必要がある。
  • 自治体が事業仕分けを含め行財政改革に取り組む際には、弱者も強者も共生できる地域をつくるという基本を忘れてはならない。その上で、公務領域の見直し、執行から企画への転換、ミニマム的事業と選択的事業の再検討などを行いながら、自治体経営の自立化を目指す必要がある。
  • 本来、行財政改革は、住民への痛みを避ける意味でも、息の長い取り組みでなければならない。そこで、資金需要と行財政改革の成果とのタイムラグを埋めるものとして、ハコモノ改革が注目される。ハコモノ改革は、多様な手段と多様な補完措置を持ち、痛みの少ない特効薬といえる。
  • ハコモノ改革を成功に導くには、改革の成果によって達成し得るプラスの目標を先に設定すること、創意工夫によって住民の痛みを取り除くこと、特定施設ではなく全施設を対象とすること、そして住民参加と公開のなかでこれを進めることが鍵となる。
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