国の出先機関と特別会計の道州移管に関する試論
―国家公務員12万人が削減可能に―

松野由希 ((株) PHP総合研究所 政治経済研究センター 特任研究員)

Talking Points

  • 民主党政権は国の出先機関の原則廃止をマニフェストに掲げ、6月には「地域主権戦略大綱」を閣議決定し、地域主権改革を進展させるかに思われた。しかしながら大綱には具体的な移管対象や規模は明記されず、これまでの議論からむしろ後退するものとなった。
  • 国の出先機関の原則廃止が進まないのは、受け皿となる道州のような広域地方政府が想定されていないからである。そこで本稿では、国と道州の役割分担をもとに、出先機関と特別会計・一般会計を合わせて、ヒト・モノ・カネをセットで道州へ移管する案を独自に検討した。
  • 出先機関の事務の道州への移管に伴って、特別会計に属する職員8.2万人のうち、6.3万人が移管対象と試算される。さらに、特別会計と一般会計を合わせた中央省庁職員29.6万人のうち、道州移管対象は12.7万人と試算される。
  • 特別会計と一般会計の道州移管によって、地域主権の全体像をより明らかにできる。出先機関改革を後退させることなく、 ヒト・モノ・カネをセットで国から地方に移管して、地域主権にふさわしい役割分担を実現することが期待される。
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