児童虐待事例の検証結果を再発防止に生かすには

亀田徹 (政策シンクタンク PHP総研 主席研究員・教育マネジメント研究センター長)

Talking Points

  • 児童虐待防止法の改正により、児童虐待の重大事例等の検証を国および自治体が行う旨の規定が導入された。
  • だが、これまでのところ、自治体による検証報告の実施状況のすべてが明らかになっているとはいえない。
  • 自治体に対する調査を行ったところ、平成20年4月1日~平成22年10月15日までの間に、30自治体で45報告書が作成されたことが明らかになった。ただし、このうち6報告書は公表されていない。
  • 検証報告の内容をみると、対応上の問題点および改善策でもっとも多かったのは「情報収集・アセスメント」に関するものであり、次が「関係機関間の連携」であった。
  • 問題点の分析が不十分であり、改善策が抽象的な記述にとどまっている検証報告も少なくない。重大事例等の再発防止には、問題点が生じた理由や事情を分析し、分析結果に基づく具体的な改善策の提案が必要だ。
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