いじめ防止対策推進法の問題点を考察する

亀田徹 (政策シンクタンクPHP総研 主席研究員・教育マネジメント研究センター)

Talking Points

  • 本年の通常国会で成立した「いじめ防止対策推進法」が施行されようとしている。
  • 法案の国会提出にあたり、その検討プロセスは不透明であった。議論の内容を公開し、各党から国民に対し問題提起すべきだったのではないか。
  • 法律にいじめ対策の実質的な効果があるとは考えにくい。教員による子どもたちへのかかわりの質や内容は、いくら法律で細かく定めようとしても定められるものではないからだ。加えて、法律で定める対策の多くは、以前から通知等で実施が求められてきたものだ。
  • さらに、法律が学校に細かな義務付けを行っている点にも問題がある。財政措置の規定が抽象的、不登校に関する規定内容が踏み込み不足、といった問題もある。
  • 附則が定める「施行後三年」の見直し時期を待たずに早急に法律改正を検討すべきだ。
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