『許認可等の統一的把握』をチェックする
―規制改革の基盤となるデータベースとして再構築せよ―

熊谷哲 (政策シンクタンクPHP総研 主席研究員・政治経済研究センター)

Talking Points

  • 規制改革の必要性が強調される一方で、わが国の規制の全体像を網羅的に捉えている資料は極めて少ない。総務省行政評価局が1985年から公表している「許認可等の統一的把握」は、規制に関するデータを提供する貴重な存在である。
  • わが国の規制改革は、行政のスリム化や国民負担の軽減をはかるために許認可等のあり方を見直すところから始まった。今日においても、個々の許認可手続きの見直しが規制改革の主要な取り組みとなっている。そうした許認可の実態を把握するために統一的把握の仕組みが設けられた。
  • だが、「規制の事前評価」や「規制に係る総括的報告」といった他の取り組みと比較すると、規制改革との連動性、把握の正確性、基礎資料としての十分性のいずれをとっても欠落しているところが見受けられる。当初の期待に応えているとは到底言いがたい。
  • 規制改革の機運が高まっている今こそ、許認可の統一的把握を再構築するとともに、半ば不透明感のある個々の規制を「見える化」する方策として活用すべきである。そこで、具体的に5つの改革を提案する。これにより、規制のあり方を適時適切にコントロールしていくための基礎的データベースの役割を果たし、引いては生産性の高い政府づくりに貢献することが望まれる。
policy_v7_n64

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