2017年版 PHPグローバル・リスク分析

 PHP総研グローバル・リスク分析プロジェクトは、来たる2017年に日本が注視すべきグローバルなリスクを展望する「2017年版PHPグローバル・リスク分析」レポートをまとめ、このたび発表いたしました。国際政治、地域情勢、国際金融、国際経済、エネルギー、サイバーの専門家が集中的な検討を行い、その結果をまとめたものです。
 2017年版は、2012年版以降通算第6回目のレポートとなります。本レポートでは、まず「グローバル・オーバービュー」において、各リスクがおかれているグローバルな文脈を描出しています。その上で、2017年に日本が着目すべき10のグローバル・リスクについて分析し、あわせてその日本にとってのインパクトを提示しました。最後に、以上の分析全体をふまえて、日本の政策への全体的なインプリケーションを考察しています。
 トランプ政権の誕生や欧州等におけるポピュリズムの台頭を受けて、政治リスクへの関心が日本においてもかつてなく高まる中、本レポートが皆様の活動に有益な視点を提供することを願ってやみません。

※レポート全文は、PDFでご覧いただけます
http://thinktank.php.co.jp/wp-content/uploads/2016/12/risk_2017.pdf

Global Risks 2017

  • 1.サイバー分野で失われる国際競争力と進行する「植民地化」
  • 2.トランプ「勝手主義」に翻弄される世界
  • 3.中間層「選挙の乱」矛先はグローバリズムへ
  • 4.対外強硬姿勢で国内不安の乗り切りを図る中国
  • 5.韓国大統領選とトランプ政権登場で混乱必至の朝鮮半島情勢
  • 6.東南アジアで不安定化する米中バランス
  • 7.密かに高まる印パ核保有国同士の軍事的緊張
  • 8.トランプ政権の政策転換で不安定化する「ポストIS」の中東
  • 9.構造的ハードルに阻まれ米露リセットに限界
  • 10.重要インフラへのサイバー攻撃の本格化

【内容】

<目次>

  • はじめに
  • リスク俯瞰世界地図
  • グローバル・オーバービュー
  • グローバル・リスク2017
  • [コラム]「デ・リスキング」の広がりが告げる金融グローバル化の終焉
  • 日本にとっての政策的インプリケーション
  • PHPグローバル・リスク分析の推移(2012―2017年)
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PHP総研グローバル・リスク分析プロジェクト

畔蒜泰助
/東京財団研究員兼政策プロデューサー
1969年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。モスクワ国立国際関係大学国際関係学部修士。専門はロシア国内政治、ロシア外交政策、ロシアのエネルギー戦略。露ヴァルダイ・クラブのメンバー。著書に『「今のロシア」がわかる本』(三笠書房・知的生きかた文庫)、『原発とレアアース』 (共著、日経プレミアシリーズ)がある。
飯田将史
/防衛研究所地域研究部中国研究室主任研究官
1972年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。同大学政策・メディア研究科修士。スタンフォード大学修士(東アジア論)。専門は中国の外交・安全保障政策と東アジアの国際関係。スタンフォード大学と米海軍大学で客員研究員も勤めた。著書に『海洋へ膨張する中国』(単著、角川SSC 新書)、『中国―改革開放への転換』(共編著、慶応義塾大学出版会)等がある。
池内 恵
/東京大学先端科学技術研究センター准教授
1973年生まれ。東京大学文学部イスラム学科卒。同大学総合文化研究科博士課程単位取得退学。専門はイスラーム政治思想、中東地域研究。著書に『現代アラブの社会思想―終末論とイスラーム主義』(講談社)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社)、『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(新潮社)など。『イスラーム国の衝撃』(文藝春秋)で2015年度の毎日出版文化賞・特別賞を受賞。2016年度の中曽根康弘賞・優秀賞を受賞。『フォーサイト』(ウェブ版、新潮社)で連載「中東危機の震源を読む」とブログ「中東の部屋」および「池内恵の中東通信」を担当。
金子将史
/政策シンクタンクPHP総研首席研究員
1970年生まれ。東京大学文学部卒。ロンドン大学キングスカレッジ戦争学修士。松下政経塾塾生等を経て現職。外交・安全保障分野の研究提言を担当。著書に『パブリック・ディプロマシー戦略』(共編著、PHP研究所)、『日本の大戦略―歴史的パワー・シフトをどう乗り切るか』(共著、PHP研究所 )、『世界のインテリジェンス』(共著、PHP研究所)等。「国家安全保障会議の創設に関する有識者会議」議員等を歴任。外務省「科学技術外交推進会議」委員、同「ジャパン・ハウス有識者諮問会議」委員。国際安全保障学会理事。
庄司智孝
/防衛研究所地域研究部米欧ロシア研究室長
1971年生まれ。東京大学教養学部卒。同大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了(学術博士)。専門はベトナムを中心とする東南アジアの政治と安全保障。近著に「台頭する中国へのベトナムの対応 南シナ海問題を中心に」(『国際安全保障』第39巻第2号)、「ベトナムの全方位『軍事』外交 南シナ海問題への対応を中心に」(『防衛研究所紀要』第18巻第1号)等がある。
菅原 出
/国際政治アナリスト
1969年生まれ。アムステルダム大学卒。東京財団研究員、英危機管理会社勤務を経て現職。著書に『「イスラム国」と「恐怖の輸出」』(講談社現代新書)、『戦争詐欺師』(講談社)、『秘密戦争の司令官オバマ』(並木書房)等がある。スマートフォン記事アプリ「菅原出のグローバルアナリシス」(http://i-sugawara.jp/app.html)で最新のリスク分析レポートを配信している。
田島弘一
/株式会社日本格付研究所調査室長
1952年生まれ。千葉大学人文学部法経学科卒。信託銀行で国際部門、運用部門を経験、証券では経営向け調査を担当、同時に国際金融情報センターのシニアアドバイザーを兼務し現在に至る。カーターショック、プラザ合意、ブラックマンデイ、バブル崩壊、不良債権問題、金融危機、同時テロなどを身近で経験したことから、政治、軍事、外交、経済 、市場はジグソーパズルとみて、金融インテリジェンスの実践者として活動しながら、政策提言活動も続けている。
中島精也
/丹羽連絡事務所チーフエコノミスト
1947年生まれ。横浜国立大学経済学部卒。ドイツifo経済研究所客員研究員(ミュンヘン駐在)、九州大学大学院非常勤講師、伊藤忠商事チーフエコノミストを経て現職。著書に『傍若無人なアメリカ経済ーアメリカの中央銀行・FRBの正体』(角川新書)、『グローバルエコノミーの潮流』(シ グマベイスキャピタル)、『アジア通貨危機の経済学』(編著、東洋経済新報社)等がある。
名和利男
/サイバーディフェンス研究所専務理事/上級分析官
1971年生まれ。海上自衛隊において、護衛艦のCOC(戦闘情報中枢)の業務に従事した後、航空自衛隊において、信務暗号・通信業務/在日米空軍との連絡調整業務/防空指揮システム等のセキュリティ担当(プログラム幹部)業務に従事。その後、JPCERTコーディネーションセンター 早期警戒グループのリーダーを経て、現職。他にPwCサイバーサービス合同会社やArbor Networks ASERT Japan等の顧問、内閣府の宇宙安全保障部会構成員や経産省の情報セキュリティ対策専門官等を務める。
馬渕治好
/ブーケ・ド・フルーレット代表
1958年生まれ。東京大学理学部卒。マサチューセッツ工科大学スローンスクール経営科学修士。米国チャータード・ファイナンシャル・アナリスト(CFA)。(旧)日興證券等を経て現職。国際経済・証券金融市場分析が職務。著書に、『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)。日本経済新聞夕刊「十字路」の執筆担当者のひとり。
道下徳成
/政策研究大学院大学(GRIPS)教授
1965年生まれ。筑波大学国際関係学類卒。ジョンズ・ホプキンス大学(SAIS)修士および博士(国際関係論)。専門は日本の防衛・外交政策、朝鮮半島の安全保障。防衛省防衛研究所主任研究官、内閣官房副長官補付・参事官補佐などを経て現職。著書に『北朝鮮 瀬戸際外交の歴史、1966~2012年』(ミネルヴァ書房、国際安全保障学会最優秀出版奨励賞受賞)等がある。
保井俊之
/慶應義塾大学大学院SDM研究科特別招聘教授
1962年生まれ。東京大学教養学科卒。国際基督教大学博士(学術)。九州工業大学客員教授を兼務。研究テーマは社会システム、ソーシャルデザイン、ダイアローグと協創、システム×デザイン思考等。著書に『「日本」の売り方―協創力が市場を制す』(角川one テーマ21)、『中台激震』(中央公論新社)、『体系 グローバル・コンプライアンス・リスクの現状』(共著、きんざい)、『ふるさと納税の理論と実践』(仮題、共著、近刊、事業構想大学院大学出版部)』、『無意識の作り方』(仮題、共著、近刊、ワニブックス)等。2010と11年度の日本コンペティティブ・インテリジェンス学会論文賞を2010・11 年度、2012と13年度の日本創造学会論文誌の論文賞をそれぞれ受賞。

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