仕事と社会をつないで、忘れていた熱さと志を取り戻す「留職」プログラム

NPO法人クロスフィールズ 代表 小沼大地

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留職先候補団体を訪問するプロジェクトマネージャー(写真提供:クロスフィールズ)

――留職プログラムの過程で、クロスフィールズはどのような役割を果たしているのですか?
 
小沼:プログラム全体のコーディネートをさせていただいています。
 
 たとえば、ある企業さんから3人を留職に派遣しましょうということになったら、留職者を面接などで選定した上で、様々な留職先の団体とコミュニケーションを取りながら、誰をどこに派遣するかということを決めていきます。その上で、事前研修を行ったり、現地での業務が上手く進んで留職者の成長も担保できるように留職者の「伴走」をしていきます。
 
 現地業務が始まるタイミングでは、現地へ同行したりもします。そして、最終的には留職の経験が本業にどう生きるかを棚卸しする研修まで実施させていただきます。
 
――留職先を探すのも大変そうですね。
 
小沼:単純に人を受け入れたいという団体を探すのはそれなりにできるのですが、たとえば「エンジニアで35歳、これまで音響機器の開発や整備に携わってきました」という人を活かせる受け入れ先はどこかという視点で探すのは、やっぱり難しいです。その人がもっとも力を発揮できるところはどこだろうと探して、たとえば超音波を活用した活動をしているインドの医療系のNGOにたどり着いて、「こんな人がいるんですが」と話を持ちかけてマッチングして、というように取り組んでいるのですが、こうしたマッチングができるのが、僕らの強みだと考えています。
 
――そのリサーチはどうやって行っているのですか?
 
小沼:皆で頑張ってやっております(笑)。もともとクロスフィールズには国際協力に強いバックグラウンドを持つメンバーが集まっていることもあり、皆で手分けしてアジアの10か国ほどに出張したりしながら、これまで4年間、現地でのネットワークを開拓し続けてきました。いまでは数百団体とのネットワークを構築できていますし、今後はインドに駐在スタッフを常駐させることも予定しています。まだまだ発展途上ですが、留職する本人にも現地にもwinのあるマッチングを目指して、日々努力を重ねています。

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