憲法改正はなるのか
―与野党試案を比較する―
Talking Points
- いまも色あせない改正の論点とは
(1)地方自治の強化 (2)首相権限の強化 (3)安全保障の強化 - 地方自治では保守的な自民党:「上書き権」「道州制」「課税自主権・財政自治権」などにはいっさい触れず現状維持の姿勢
- 一歩踏み込んだ民主党の「分権型国家」:自治体の権限配分・役割分担を明記。自治体に立法権限を保障し、中央政府は大綱的な基準を定める立法に
- 行政権に総理の専権事項を付けた自民党:(1)行政各部の指揮監督・総合調整権 (2)国防軍の最高指揮権 (3)衆議院解散の決定権
- 「執政権」を総理に付与する民主党:内閣における決定の責任を総理一人に帰す
- 第9条では不一致の連立政権:集団的自衛権行使の容認と国防軍の保持を主張する自民党に対し、公明党は自衛隊の存在自体も慎重に検討という立場
- いま一つ不鮮明な野党の安保観:民主は集団的自衛権を語らず、難解な説明。生活の党以外は抽象的で不明瞭な立場
- 「共有性」と「緊急性」ではかる改正候補:共有性でいえば「環境権」だが、緊急性を考えると第9条と緊急事態に関する条項か
- 観念論ではなく実質的な議論を深めなければ:安倍政権の継続日数に並行して増加する世論の改正反対。求められる分かりやすく丁寧な説明