国際的なパワーバランスの変化に伴う適正な外交資源の配分
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平成23年度外務省委託調査報告書―
経済成長を背景にした新興国の台頭と先進国の経済・財政面での苦境は、国家間のパワー・バランスを大きく変化させており、産業革命以来の欧米日先進国を中心とした国際秩序は大きな挑戦を受けています。こうした国家間のパワー・シフトは、非国家主体へのパワーの分散とあわせて、国際システムを変容させつつあり、そのことにより、国家と国家の関係を調整する最重要手段として発展してきた外交の性質も大きな影響を受けることを余儀なくされています。
本報告書では、パワー・バランスの大がかりな変化(パワー・シフト、パワー・トランジション)が、各国が外交政策を展開する上で必要な各種の資源にどのような変化をもたらしているか(いくか)について検討を加え、「国家間ネットワーク」「知識、アイディア(科学技術とインテリジェンスを含む)」「評判、イメージ、人的ネットワーク(パブリック・ディプロマシーと国家ブランドを含む)」「外交実施体制」といった外交資源をわが国が強化していくにはどうしたらよいかについて提言しています。
【内容】
<目次>
- はじめに
- 第1章
国際システムの変容と外交 - 第2章
国際政治におけるネットワークと外交 - 第3章
新興国についての捉え方と理論の変遷 - 第4章
新興国の連携関係 - 第5章
外交資源としての知識、アイディア - 第6章
イメージ、評判、人的ネットワーク - 第7章
外交実施体制 - 第8章
パワー・バランスの変化をふまえた日本の外交資源強化への提言
報告書の内容は表紙画像のリンク先からご覧いただけます。
報告書(A4版、ページ数約150ページ)
■執筆分担
山本吉宣(政策シンクタンクPHP総研研究顧問、東京大学名誉教授)
第1章、第2章、第3章、第4章
金子将史(政策シンクタンクPHP総研国際戦略研究センター長兼主席研究員)
はじめに、第5章、第6章、第7章、第8章
■研究支援
前田宏子(政策シンクタンクPHP総研主任研究員)