誰もが生き生きと才能を発揮できる社会を

ARUN 代表 功能聡子

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――援助する側、される側、ではない関係。地方再生や被災地の復興についても、同じようなお話をちらほら聞いています。国がやってくれない、行政がやってくれない、と言っていてもなにも変わらないことに気づいて、自分たちでがんばるんだという人たちを、どうやって応援していくか。がんばる人たちに寄り添える仕組みが大きく育っていってほしいですね。
 
功能:「自分たちにはできない、やってほしい」と援助を求める人は、カンボジアにもたくさんいます。どこにでもそういう人はいますが、その中に自分たちでやっていこう、がんばっていこうという人たちが、必ずいます。そういう人を見つけて引っ張り上げて、応援していくのが大事だと思います。
 
 とくに、東日本大震災以降の東北は、東京を介さずに直接世界各地とつながっていたりするんですよね。東北へ行っていろんな人と話をすると、みんな当たり前にネパールとかカンボジアとかインドのビジネスの話をされていて、地方のほうが直接現地とつながっている部分があるんだなと感じました。
 
 また、ARUNに投資してくださっている経営者の方も、「自分の周りの中小企業で、東南アジアに出て行かなければならないと思っていない企業はない」とおっしゃっていました。なにかをしたい、なにかしなければならないという意識はある。だけど、なにをどうやっていいかわからない。そういう課題意識は、実は地方のほうが強く持っているのかもしれません。
 
 仕組みもやっぱり大事なんですよね。仕組みをつくると、それに合わせてお金や人が流れていくことになる。それは私たちの考え方や見方にも影響を与えます。ですから、制度を設計する人たちの責任はとても重いと思っています。それはいまこうして社会的投資に取り組んでいる私たちもそうです。
 
 制度をつくる立場の人が、どんなマインドセットでいるのか、これからの日本のあるべき姿、世界の中での存在感をしっかり考えた上で、それが見えるように発信していかなければいけないと思っています。
 
 ARUNが最終的に目指しているのは、「地球上のどこに生まれた人も、ひとりひとりの才能を発揮できる社会」。その手段としての社会的投資の仕組みをしっかりつくって広げ、誰もが生き生きと輝ける社会をつくっていきたいと思います。
 
 
 
功能 聡子(こうの さとこ)* 国際基督教大学(ICU)卒業後、民間企業、アジア学院勤務の後、1995年よりNGO(シェア=国際保健協力市民の会)、JICA、世界銀行の業務を通して、カンボジアの復興・開発支援に携わる。カンボジア人の社会起業家との出会いからソーシャル・ファイナンスに目を開かれ、その必要性と可能性を確信し 2009年ARUNを設立。2014年にNPO法人ARUN Seedを設立、代表理事を務める。

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