どんな環境でも、自分の人生は切り拓ける
写真提供:山田貴子氏
子どもたちと一緒に未来を創っていきたい
生まれ故郷で、夫の森住さんと一緒に取り組んでいる活動もある。
「私は湯河原の出身なんですが、そのご縁で町の教育委員会さんに声をかけていただいて、なんらかの理由で学校の教室には通えない子どもたちが通う適応指導教室にワクワーク・イングリッシュのサービスを提供して3年目になります。英語が特別上達しなくても、外国人の講師と英語でコミュニケーションをとったり、励まされたりすることで自信がつくみたいで、学校に復帰した子もいます」
国内で行っているのはフィリピンでのワクワークでの活動とは別の、山田貴子個人としての活動だ。ワクワーク・イングリッシュのシステムを利用した適応指導教室での取り組みのほか、湯河原にある4校の小中学校で、子どもたちの研修「湯河原子どもフォーラム」を請け負って、今年で4年目になる。
「フィリピンの路上の子どもたちと出会って、どんな環境に生まれていても、自分のほんとうにやりたいこと、未来を選択していく力があるというということを証明したいと思った。それと同じことを日本の子どもたちにも感じているんです」
社会の中で、「この子はできないから」と言われてしまう子がいることに、山田さんは違うと言いたくなるのだと言う。
「自分にもできるんだっていう小さな経験を積み重ねていけば、彼らだって自分で未来を選択していけるはず。だけど、そのチャンスは、自分には訪れないと思ってしまっている部分があります。ロレガの子どもたちだけじゃなくて、社会の中でそういう環境に置かれてしまっている子どもたちをどうにかしたい。どうにかしたいというよりは、彼らと一緒に未来を創っていきたいという思いがあるんです」