政策提言 日本の対中総合戦略
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「戦略的パートナーとしての中国」登場への期待と日本の方策―
PHP総合研究所では2006年7月に「日本の対中総合戦略」研究会を立ち上げました。研究会発足当時“戦後最悪”といわれた日中関係は、安倍訪中を転機に改善の方向へと進み、日中政府間の対話も盛んになってきています。しかし、両国の世論調査に見られるとおり、日中双方の相手に対する国民感情はいまだ良好とはいえません。また両国間には未解決の問題も存在し、日中関係が再び冷却化する可能性はなくなっていません。日中双方にとって有益で、安定した関係を保つためには、感情論に基づかない中長期的な戦略が必要です。
そこで、2020年までの中国の動向を予測し、その中国に対しどのような戦略をもって日本が向かい合っていくべきなのか、同時に日本が目指すべきアジア地域の秩序とはどのようなもので、その実現のために何をすべきなのかについて議論・検討してまいりました。
福田総理の訪中を間近に控え、このたび研究会メンバーは政策提言『日本の対中総合戦略 ―「戦略的パートナーとしての中国」登場への期待と日本の方策』をまとめました。
「日本の対中総合戦略」研究会メンバー
- 座長:渡邉昭夫
- /平和・安全保障研究所副会長
- 阿部純一
- /霞山会主席研究員
- 高原明生
- /東京大学大学院法学政治学研究科教授
- 津上俊哉
- /東亜キャピタル代表取締役社長
- 中西 寛
- /京都大学大学院法学研究科教授
- 前田宏子
- /PHP総合研究所研究員
【内容】
【提言書】
提言書の内容は下記で全文ご覧いただけます。 提言書 (A4版、ページ数約24ページ)をご希望の方は、お問い合わせボタンよりご連絡下さい。
日本の対中総合戦略(日本語版)PDF
Japan’s Comprehensive China Strategy(English ver.)PDF
日本的対華総合戦略(中文版)PDF
「日本の対中総合戦略」提言一覧
<アジア地域の安定と繁栄のために>
- 提言1 日米中首脳会談の開催・定例化を提案せよ
- 提言2 日米同盟、日米豪戦略対話の強化に努める一方で、日中の戦略的パートナーシップを実現せよ
- 提言3 東アジア地域協力について、その枠組みについて積極的に検討し、推進せよ
- 提言4 長期的目標として、東アジア地域での平和の制度化を提唱せよ
<日本が能動的、長期的な対中外交を推進していくために>
- 提言5 日本の対外発信能力向上のため、民間の協力を得つつ、政府の対外広報体制を強化せよ
- 提言6 地域戦略を作成する常設の部署や仕組みを内閣官房に設置し、より大きな知的資本を投入して対中戦略を策定せよ
- 提言7 国際情勢の変化に対応する日本の防衛力構築に努めよ
- 提言8 若年層と質を重視した留学生政策を推進せよ
<中国との利害の衝突を紛争に至らしめないために>
- 提言9 政治・安保の分野について、日中ハイレベル協議の開催・定例化を提案せよ
- 提言10 中国政府に対し、軍事予算や軍事戦略の意図などについて透明性を高めるよう求めよ
- 提言11 北東アジアの紛争予防メカニズムの強化を訴えよ
- 提言12 日中相互の近代史全般を理解するような歴史研究を促進せよ
<ウィンウィン型の協力関係の促進のために>
- 提言13 環境保護、省エネ分野における協力をより一層強化せよ
- 提言14 中国資本、中国人投資家、中国人観光客を積極的に誘致し、日本経済の成長に利用せよ
- 提言15 中国の一般民衆の生活向上、法治の実現に貢献するような援助と支援を引き続き実施せよ
- 提言16 日中で協力し、他国への援助を実施せよ