地政学的要衝研究会
「兵器なき戦場」としてのサイバー空間
「地政学的要衝研究会」は、日本の対外政策や日本企業のグローバル戦略の前提となる情勢判断の質を向上し、平和と繁栄を考えるうえで不可欠の知的社会基盤を形成することをめざして、鹿島平和研究所と政策シンクタンクPHP総研が共同で組織した研究会です。第一級のゲスト報告者による発表をもとに、軍事や地理をはじめとする多角的な観点から主要な地政学的要衝に関する事例研究を行ない、その成果を広く社会に公表していきます。
今般のロシア・ウクライナ戦争では、サイバー空間を使った情報戦が激しく展開され、「デジタル戦争」などと呼ばれている。ロシアは開戦当初、「ゼレンスキー大統領が逃亡した」とするフェイクニュースを流してウクライナ国民の士気低下を画策。これに対してゼレンスキー氏は、首都キーウで自撮りした動画をSNSで発信してフェイクニュースを否定した。
開戦後にウクライナはIT軍を組織。世界中から「サイバー義勇兵」を募り、ロシアの政府や民間企業のウェブサイトに攻撃を加え、SNSで西側企業にアクセスし、ロシアからの撤退を促した。
国家の軍隊同士が物理的に衝突する古典的な戦争が行なわれているのと並行して、サイバー空間というまったく異次元の空間で、従来の「戦争」の概念にはない新しい戦いが展開されている。そこには、法律などの明確なルールも規範も存在しない。
連載第7回は、情報化時代の新しい戦略環境で起きているサイバー戦争の本質や、情報領域と物理領域、そして認知領域が相互に依存し合う世界における安全保障上の課題について考えてみたい。
ルールと規範のない戦いに突入する世界
2022年2月27日、ウクライナのミハイロ・フョードロフ副首相兼デジタル改革担当相は、IT軍の設立を表明し、加入者を募るとツイートした。通信アプリ「テレグラム」の専用チャンネル「IT Army of Ukraina」には、3月2日時点で25万人のサイバー義勇兵が登録。米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によれば、IT軍はロシアの外務省や証券取引所、国有銀行のウェブサイトを攻撃して、機能を一時停止させたという。
IT軍にはウクライナ人だけではなく、国籍にかかわらず、誰でも「入隊」が可能だとされた。しかし、物理的な戦争と異なるとはいえ、外国の市民を巻き込んでロシアに対して仕掛けたサイバー攻撃で、ロシア側に人的・物的な損害が発生した場合、誰がその責任をとるのか、そもそもこの行為は戦争に該当するのかなど、次々に湧く疑問に対して既存の国際法に答えはない。
「通常兵器における一般的な交戦法規」が前提としているのは、物理領域で展開される従来の軍事組織同士の戦争である。そこには物理的な交戦域が存在し、指揮官の指示や命令に基づいて兵器システムが使われ、交戦がなされることが想定されている。
また、戦争当事者は、「公然と制服を着用する」「指揮官が存在して統率している」といった基準によって識別が可能であり、それゆえ「非軍事目標の攻撃を禁止」にすることや、中立の規定などもつくることができ、一定の規範が存在する。しかし、サイバー戦争の場合、特定の交戦域は存在せず、どこで交戦が行なわれてもいい〝無限性〟がある。つまり自由空間で戦闘が行なわれ、しかも「中立領域」を通って交戦がなされる。従来の交戦法規の基準は当てはまらない(図1)。
たとえば日本人がウクライナのIT軍に参加して、日本にいながらクリック一つでロシアにサイバー攻撃をした場合、ロシアから見て「中立条項違反」には当たらないかもしれないが、日本は少なくとも領域から攻撃が行なわれたという管轄権上の責任を問われる可能性はある。日本政府は、ロシアを攻撃しないというサイバー空間上の管理責任を問われ、その攻撃によって生じた損害に対する賠償責任の可能性も生じ、また被害の程度によっては報復攻撃を受ける危険もある。
オバマ政権でサイバーセキュリティコーディネーターを務めたマイケル・ダニエル氏は、「物理的な世界には、サイバースペースにはまだない非常に明確なルールがある」と述べている。では明確なルールと規範がないサイバー空間を利用する戦いにどう対応するのか、我々にとって喫緊の課題になっている。
「情報領域」「物理領域」「認知領域」
サイバーインフラは、オープン及びクローズドの物理通信層、ハードやソフトで構成されるインターネット層、そしてアプリ層で成り立っており、その上に政治外交、情報、軍事、経済、重要インフラ、文明・文化、教育・メディア、資源や技術・知財などあらゆる活動が展開されている(図2)。
こうしたサイバーインフラとその上で繰り広げられる各種活動は、自国の主権領域、外国の主権領域と中立領域でそれぞれ展開されているが、それらの活動を支えるサイバーインフラは領域横断的につながっており、サイバー戦はこれらすべての領域で行なわれる。
より詳しく見てみると、サイバーインフラは、情報領域(Information domain)、物理領域(physical domain)、認知領域(Cognitive domain)の3つの領域で構成されている。情報化社会の現代において、これら3つの領域は別々に存在するのではなく、領域間の相互作用がますます進み、それが異次元の価値を生み出す原動力になっている。
地理的に異なる地点間の移動について考えてみよう。この場合、物理領域においては、物の移動には時間と質量移動のためのエネルギーが必要であり、加工は困難という特性がある。一方、情報領域においては、サイバーインフラさえ存在すれば、データの移動時間と質量はほぼゼロであり、加工も容易である。
このことは、物理領域における規範や基準、すなわち価値観は、情報領域では通用しないことを意味する。前述したウクライナのサイバー戦の事例で見たように、情報領域では物理領域とはまったく次元の異なる秩序に依存した価値が生み出されるからである。
戦争が、情報領域、物理領域、認知領域にどのように作用するのか、換言すれば、それぞれの領域を使って攻撃主体がどのように戦争目的を達成しようとするのか、ウクライナ戦争を例にして考えてみたい。
ここでは「攻撃主体」はロシアだと想定し、彼らが戦争を通じて達成しようとしている政治目標が「ウクライナに北大西洋条約機構(NATO)との緩衝地帯(バッファーゾーン)をつくること」だと仮定して話を進めよう。図3の上部「軍事的手段による直接的アプローチ=直接的な効果」の部分は、物理的な軍事力という手段を使い、領域を占領したり、施設を破壊したり、敵(ウクライナ軍)の軍事力を撃破するといった軍事目標の達成を通じて「物理領域の重心」を攻め、それによって「緩衝地帯をつくる」という政治目標を達成するアプローチを表現したものである。
もう一つ、一見同じような「軍事的手段による直接的アプローチ(外形的)」の手法の場合、戦闘形態としては非常に似たようなアプローチをとるものの、攻撃する軍事目標は物理領域における重心である必要はない。ここを攻撃することで得られた効果を使って情報戦や心理戦を有利に展開し、政治的な意思強要の対象となる相手国家の意思、すなわち「認知領域の重心」に作用させる間接的アプローチとなる。
サイバー空間の戦場化に伴って、政治目標を達成する方法が、従来の軍事的手段によって直接的に物理領域の重心を抑えるやり方から、情報戦・心理戦などの非軍事的手段によって間接的に認知領域を抑えるやり方(新重心)へと変わってきているのである。
今回ウクライナでは、緩衝地帯を設けるという政治目標に対して、ウクライナ東部や首都キーウの物理的占領やウクライナ軍の撃破という物理的重心への攻撃だけでなく、ウクライナの意思を砕く認知領域への攻撃が並行して行なわれた。ロシアは「ゼレンスキーが国外逃亡した」等の情報戦を仕掛けたが、ウクライナが「生の情報」を含むSNSでの情報戦を展開した結果、認知領域の新重心を確保することができなかった。
図3中央下の「非軍事的手段による直接的アプローチ」は、非軍事的な手段による相手の政治、経済、外交、文化等の非軍事的な目標に働きかける活動と駆け引きを通じて、情報面・心理面での効果を認知領域の重心に与え、国家の意思決定に作用させるというもの。かつて孫子が「不戦による勝利は最善の方法である」と述べ、敵対者の意思が重心だと指摘したのは、非軍事手段によるアプローチの重要性を強調したものと捉えることができる。
現代戦においては、非軍事手段によるアプローチがきわめて重要だが、ロシアはそこで躓いているためコストの高い戦争に陥っている。逆にウクライナ側は、ゼレンスキー大統領がSNSに動画やメッセージを投稿して世界中に情報を発信し、ロシアの残虐性、非道性を訴えて支持を集めている。またウクライナの一般市民も現状をSNSなどで発信することで、世界の人びとと情報を共有する状況を創出し、国際社会の「認知領域」における戦いを有利に展開している。
こうした活動を支える上で、物理的なサイバーインフラが破壊されずに残っている点はきわめて重要である。ロシアは開戦当初からウクライナの電力インフラを物理的に攻撃したり、施設を占領。放送タワーなども早い段階でミサイル攻撃して破壊しているが、ウクライナ側はすぐに復旧させている。
またウクライナの国営通信事業者Ukretelecomへのサイバー攻撃も発生し、一時ネットワーク接続度が13%まで低下したことがあるが、これも早期に復旧させた。ロシアは、ネットワークに過剰な負荷をかけてサービスを妨害するDDoS攻撃だけではなく、完全データ破壊型のWiper攻撃を使ってウクライナのサイバーインフラの破壊を試みたと伝えられているが、結局これも失敗に終わっている。
米国家安全保障局(NSA)の長官で米軍サイバー司令部の司令官も務めるポール・ナカソネ陸軍大将は、「(ロシアによるウクライナ)侵攻の前、実際は昨年の夏頃から米NSAや米軍サイバー司令部、さらにいろいろな省庁や民間セクターのパートナーによって、ウクライナのインフラを強化するために膨大な作業をしてきた」と証言している。
詳細は不明だが、ロシアによる軍事侵攻を想定して、ウクライナの物理領域にあるサイバーインフラや電力インフラの防御体制を米国が強化し、復元力を高める支援をしたことが、情報領域、認知領域におけるウクライナの戦いを可能にしていると見られる。現代戦において、サイバーインフラや電力インフラの確保が、紛争の抑止や対処にいかに重要であるかを物語っている。
今後、戦争が長期化し、ロシアが攻撃をエスカレートさせれば、核使用に踏み切る前に、海中ドローンなどを使った海底ケーブルの切断、もしくは衛星を攻撃するといったサイバーインフラに対する物理的な攻撃も考えられるだろう。
現代の情報化がつくり出す戦略環境
情報化時代になり、すべてがつながる「連結する世界(connected world)」が出現したことによって、世界の戦略環境は大きく変化した。
工業化時代で、しかも冷戦が終結して米国一極時代が続くと思われた時代は、物理領域中心の世界であり、そこでは米国主導の秩序が築かれてきた。ニューヨークの国連本部とウォール街、それにワシントンD.C.の米政府機関、外国大使館、主要防衛産業、情報機関、法律事務所やロビー会社などを含めたいわゆる「ベルトウェイ」が、米国主導の秩序を象徴していた。
しかし、現代の情報化時代では、米国の力の相対的な低下に加え、革新的な技術の発達、仮想空間や仮想技術を通じて巨大IT企業がボーダーレスな国際公共財を提供し、新しい情報領域において、これまでにない新たな価値観や秩序が生まれ始めている。物理領域中心の米国一極時代から、情報領域と物理領域が相互に依存する無極時代へと戦略環境が大きく変わるなかで、米国と中国の大国間の覇権闘争が激しさを増している。
米中はサイバーインフラの支配をめぐって熾烈な争いを展開しているが、その主要プレーヤーである米国の巨大IT企業群GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック=メタ、アマゾン、マイクロソフト)は、物理領域の価値観や秩序で動く米政府と異なり、国境を越えるグローバルな情報領域において、巨大な影響力や情報力をもつ。GAFAMは自由競争の原理で動きながらも、国家の要請に時折は応じる。一方で中国のGAFAM的存在であるBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)は、中国という国家の支援と支配の下で活動しているように見える。
自由競争圏では、米国という国家とグローバルな巨大IT企業は、別々の領域で主導権をもち、異なる価値観をもって秩序を形成。米政府は物理領域の規範や秩序を情報領域に適用して巨大IT企業の規制を試みるが、そもそも価値観、秩序観の異なる空間のコントロールは困難であり、情報領域はカオス状態である。
中国主導の権威主義国家は、この状態をうまく利用し、情報領域における優位を確立して、認知領域における新たな秩序形成を仕掛けようとしているようだ。中国が進めるシルクロード経済圏構想「一帯一路」は、サイバーインフラ網をつくり、安くて高性能なサイバーデバイスを提供し、さらに新IPシステムを推進することで世界中のデータの囲い込みを進めていると考えることができる。また、仮想経済における主導権を握るため、デジタル人民元を推進している。一帯一路でつくったインフラ網にBATHがさまざまなアプリまで含めたサービスを提供し、デジタル通貨で世界をリードしようと目論んでいるのだ。
また中国は、物理領域における自国の米国への劣勢は当面続くと認識しているのだろう。そこで物理領域の劣勢を補完するため、〝非対称・ハイブリッド型〟の情報領域、認知領域を主戦場とする戦いに注力していくものと思われる。そして2049年の建国100周年までに、他国からの干渉や政治的な意思の強要を受けなくて済むような自律性と不可欠性を担保する長期的な戦略を進めているのであろう。
ロシア軍の戦略家で、ハイブリッド戦争を定義したいわゆる「ゲラシモフ・ドクトリン」の提唱者ワレリー・ゲラシモフ参謀総長は、「いまの規範や秩序は欧米を縛るツール」であり、「非対称・ハイブリッド戦でその適用ができないようにして勝利・支配する」と明確に述べたことがある。これは、中国の超限戦(従来の境界線と限度を超えた戦争)や三戦(輿論戦・心理戦・法律戦)のなかで出てくる思想と共通している。つまり、中国をはじめとする権威主義国家群は、既存の「秩序と規範の破壊者」の思想をもっていると考えることができる。
現状の国際規範や枠組みは、ほぼ物理領域の規範と秩序であるため、サイバーや宇宙などボーダーレスの領域の戦いへの適用はきわめて困難である。権威主義国家群は、現行国際法の想定する平時や有事といったパラダイムが合理性を失う時代に移行している状況を巧みに利用して、情報領域や認知領域を使ったハイブリッド型戦争で国際法の適用を回避する紛争を仕掛けていると考えるべきだろう。
DXの推進が突破口に
情報化時代がもたらした変革によって、世界はますますつながり、すべての活動がその恩恵を受けることになる。しかし一方で、すべての活動が情報環境上に連動して相互に依存するという関係は変わっていない。しかも、技術の急速な進化に伴い、サイバー戦にしても情報戦にしても、手段の多様化や低烈度(致死性や破壊度)であることによる使用の機会と果たす役割は加速度的に増大しており、情報領域のカオス化とグレーゾーンの常態化の深刻度は増している。
さらに、既存秩序の限界が改善されない限り、無極状態は継続し、変化の激しい激動の時代に入っていく。物理領域と情報領域が相互に依存し、すべてが「連結する世界」にあって、冷戦型の対抗的(敵対的)な抑止戦略は機能しない可能性が高い。冷戦期とは異なる経済的な相互依存の要素は無視できず、冷戦期の東西ブロックとは異なる国家間の多様な利害や絆といった結びつきが生まれているからである。
このような時代にあって戦略的な主導性を確保するためには、情報と意思決定の優越が最大のポイントになるが、その大前提としてサイバーインフラの抗堪性を高めることが不可欠である。
ウクライナ戦争の事例でも明らかなように、サイバーインフラと電力インフラの強靭性がなければ、あらゆる活動が止まる恐れがある。この観点から言えば、エネルギー供給元として中東に過度に依存している日本の状況はきわめて憂慮すべきである。安全保障的な観点から電力自給率の向上や調達先の分散を進めることが不可欠であり、原発の利用も含めて日本の電力について抜本的な見直しが必要だと言える。
その上で機能横断的な総合戦略思考が必須になるだろう。世界の複雑な相互依存の関係を考慮すれば、対立構造だけでものを見る冷戦型の思考では対応できず、対立構造と協調構造のバランスをとりながら戦略を構築する必要がある。
明治時代以降連綿と続く日本の縦割りの仕組みのなかで、機能横断的な組織をつくり、総合的な戦略思考のできる人材を育成するのは容易ではないが、昨今流行りのDX(デジタル・トランスフォーメーション)が一つの突破口になる可能性はある。これは本来、組織の水平化を推進するものであり、縦割りでつくられてきた日本の組織の仕組みを大きく変革する潜在性を有するからである。国家自体もサイバーインフラの上に載って水平構造化しない限り、今後非常に効率の悪い活動しかできなくなるはずである。こうした大きな構造変革としてDXの活用を検討すべきだ。
新しい安保戦略を思考できる人材育成を
また、意思決定の優越を支える上で教育の抜本的な見直しも不可欠であろう。従来の日本の教育では、既存のルールを大前提に、提示された課題に対応する、上からの指示に従って行動することが中心に据えられてきた。しかし、これからの変化の激しい時代においては、国益などのために条件を作為して能動的に仕掛ける、あるいは他者と協調して新たなルールをつくる能力のある人材の育成を目標にした教育に変えていく必要があるだろう。
IT人材の育成については、イスラエルや韓国のやり方が参考になる。両国では、さまざまなバックグラウンドをもつ人材のなかからセンスのある人物を選抜してIT人材として鍛えていく仕組みがある。とりわけ若い起業家への支援を通じて、幅広いサイバー人材を育成している。日本ではベンチャー企業が育ちにくい土壌があるが、こうした戦略的な視点からIT人材の裾野を広げる取り組みを進めるべきであろう。
日本の情報コミュニティを見ると、衛星や通信傍受など伝統的な分野での情報活動が多く、サイバー空間における情報活動はいまだ貧弱である。サイバー分野における情報活動を国家レベルで展開しない限り、高い能力を獲得するのは難しい。自衛隊のサイバー防衛隊の機能強化は不可欠である。
またサイバーインフラや電力の確保、平時・グレーゾーン・有事を通じたあらゆる分野におけるサイバー戦への備えを考えるのであれば、「Society 5.0」を推進するためのデジタル庁とは別に、サイバーセキュリティ、サイバーインフラ全体の保安やインテリジェンス機能までを含めたサイバー省のような存在が必要であろう。
情報化がもたらした大きな変革という時代認識と新たなパワーバランスの思考をもち、新しい戦略環境で生き残るための安全保障戦略を考えることのできる人材と仕組みを早急に整備しなくてはならない。
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2022年8月号 特集「戦時下の世界経済」
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