グリーン経済が変える覇権地図
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『Voice』2022年2月号総力特集―
かつてイギリスを大英帝国へと押し上げた産業革命。今日のアメリカの覇権を作ったフォーディズムとIT革命。そして今、世界の覇権地図を塗り替えようとしているのが、経済や社会のグリーンシフトがもたらす大きな変化、すなわちグリーン革命です。
「グリーン」という新たな座標軸は、これまでの国家間や企業間のパワーバランスを大きく変え、世界システムにおける序列を組み替える、巨大な変数となるでしょう。グリーン革命の影響は、脱炭素経済への転換はもちろんのこと、貿易や安全保障、資源等を巡る国際関係にまで及ぶはずです。
政策シンクタンクPHP総研は、月刊誌『Voice』2022年2月号の総力特集「グリーン経済が変える覇権地図」に企画協力し、国際秩序や米中対立、金融、新しい経済指標、産業競争力、科学技術など様々な角度からグリーンシフトが及ぼす影響と日本の活路を検討いたしました。特集の詳細は本ページの「内容」にてご覧いただけます。
気候変動をはじめとする環境問題が、人類が一致協力して乗り越えるべき課題であることは疑いようがありません。しかし、グリーンシフトの足元には、日進月歩の技術革新競争や、パンデミックで不安定さを増す米中の角逐があり、こうした現実を見据えながら歩を進めていくことが求められます。ゲームのルールが大きく変わるなかで、日本はどのような戦略で臨むべきか。グリーンへの対応が今後の30年を左右すると言われる分岐点のいまこそ、議論を深めなければならないでしょう。
PHP総研では、グリーンシフトと権力政治の様々な相互作用を検討するため、「人新世の国際政治」研究会を開始しており、本特集でも、同研究会座長の田中明彦政策研究大学院大学学長の論考が掲載されています。ご一読とともに同研究会の成果にもぜひご期待ください。