大国間競争の帰結
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『Voice』2020年2月号 総力特集―
2020年は日本にとってオリンピック・パラリンピックが開催される特別な一年ですが、世界に目を転じると、11月の米国大統領選挙を山場にダイナミックな動きが展開するものと考えられます。さらに俯瞰すると、今日のリスクは先進国から新興国へのパワーシフト、グローバリゼーションの揺り戻し、エマージング技術による社会や産業の刷新といった巨大な潮流が重なり合うところに生じています。権力政治が経済やテクノロジーを左右する状況は今後も続く可能性が高く、2020年も、様々なリスクが国境を越えて複雑に連関し、企業経営や政府活動に影響を与える一年になりそうです。
このたび政策シンクタンクPHP総研は、月刊誌『Voice』の総力特集(「大国間競争の帰結」)に企画協力し、2020年の世界と日本が直面するリスクの展望を試みました。PHP総研が毎年末に発表している「PHPグローバル・リスク分析」のエッセンスを参加メンバー(飯田将史氏、菅原出氏、畔蒜泰助氏、金子将史)の論考で深堀りするとともに、グローバル経営の視点で政治リスクを鋭く捉えていらっしゃる小林喜光三菱ケミカルホールディングス取締役会長へのインタビュー、今年注目の米国政治に詳しい吉野直也氏の論考、長らく国際金融の中枢を歩んでこられた渡辺博史による主要地域の展望と、複眼的に2020年の世界を読み解く充実の内容となっています。
ぜひご高覧いただき、みなさまの活動のお役に立てていただければ幸いです。
【内容】
<総力特集「大国間競争の帰結」>
- 小林 喜光/「デジタル独裁」にどう立ち向かうか
- 渡辺 博史/世界は「唯我独尊」化していく
- 吉野 直也/トランプに迫る「予測可能」リスク
- 飯田 将史/米中の偶発的軍事衝突に備えよ
- 菅原 出 /「戦略なきイラン攻撃」の危機
- 畔蒜 泰助/新段階へと突入する露中関係
- 金子 将史/日本が直面する10のグローバル・リスク