最終報告書 日本の対露総合戦略
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2020年のロシアと日本がとるべき対応―
90年代に低迷を続けていたロシアは、21世紀に入り、資源エネルギー価格の高騰による経済成長により、BRICsの一員と称されるまでになり、国際政治の主要アクターとして再び台頭してきました。金融危機後の資源エネルギー市場の低迷で、経済成長にはブレーキがかかっていますが、プーチン大統領(現首相)の政治指導は今なお強力であり、日本外交にとってもロシアは無視できない変数といえるでしょう。
こうした状況を受けて、2008年4月、PHP「日本の対露総合戦略研究会(木村汎・北海道大学名誉教授)」をスタート、ロシアの現状と今後の動向について幅広い分析を行い、北方領土問題にとどまらない重層的な視点から日露関係のあり方を検討してきました。2009年末には、領土問題への積極姿勢をみせる鳩山政権に対して、8項目からなる対露政策に関する提言「鳩山対露外交への提言」をまとめ、記者発表を行っています。
最終報告書「日本の対露総合戦略-2020年のロシアと日本のとるべき対応-」では、2020年のロシアの姿についてシナリオ分析を試みました。「レント・シェアリングシステムの継続」「経済の近代化」「政治の近代化」「全面的な近代化」の4つのシナリオを理念型として提示、指導者要因を軸にした分析の結果「経済の近代化」シナリオと「政治の近代化」シナリオが並存するハイブリッドなシナリオの蓋然性が高いものとしています。別途、政治、経済、外交、軍事、社会各分野についても2020年のロシア像を展望した論文を掲載しました。報告書では、更に、こうしたロシアの方向性が世界と日本にとってもつインプリケーションを整理した上で、「期待されるロシア像」「ロシアにたいするアドバイス」「日本が採るべき対露戦略」をまとめています。
【内容】
<目次>
- 最終報告書の発表にあたって
- はじめに
- I.2020年のロシアと日本の戦略
- 1.分析 ―― 2020年のロシア
- 2.シナリオの含意
- 3.望まれるロシアの方向と提言
- [1]期待されるロシア像
- [2]ロシアにたいするアドバイス
- [3]日本が採るべき対露戦略:10の提言
- II.専門家が読む2020年のロシア
- 「ロシアの人口問題と社会的脆弱性」
- 「2020年のロシア経済と日本の関わり方」
- 「2020年に向けて――ロシアの現状と展望」
- 「核兵器への依存強めるロシア」
- 「2020年に向けたロシア外交」
- 付録 「鳩山対露外交への提言」(2009年12月24日発表)
- メドベージェフ大統領論文「ロシアよ、進め!」(抜粋)
- PHP「日本の対露総合戦略」研究会 メンバー略歴
提言書の内容は右記PDFでご覧いただけます。(付録 メドベージェフ大統領論文「ロシアよ、進め!」は除く)
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政策提言 鳩山対露外交への提言