日本の大戦略(グランド・ストラテジー)
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歴史的パワーシフトをどう乗り切るか―
各所から大きな反響をいただいた、提言報告書『「先進的安定化勢力・日本」のグランド・ストラテジー―「先進国/新興国複合体」における日本の生き方―』(2011年6月公表)に続き、このたびPHP「日本のグランド・ストラテジー」研究会の成果を書籍として刊行することになりました。
中国やインドなどの大型の新興国が台頭し、既存の国際秩序が挑戦を受けている中、現下の国際変動の本質を明らかにすることは喫緊の課題です。本書は、歴史的洞察と国際政治理論によりながら、この課題に取り組み、今現出しつつある国際秩序を「先進国/新興国複合体」として描出しています。
特に国際政治理論を用いて国際環境の変化を分析し、そこから日本の国家戦略への体系的な指針を導き出そうと試みている点は、わが国ではあまり例のない本書の特徴の一つでしょう。ぜひご一読いただき、転換期の日本のグランド・ストラテジーを考える参考にしていただければ幸いです。
【内容】
目次
- I. グランド・ストラテジーの考え方
- 第1章 グランド・ストラテジーと国家のライフサイクル
- II. 国際社会の「大変動」と21世紀型主権国家システム
- 第2章 グローバル化の加速と変調
- 第3章 国際社会の拡大と国際安全保障
- 第4章 超長期の力の移行
- 第5章 先進国/新興国(ポスト・モダン/モダン)複合体の生成
- III. アジア太平洋-日本をめぐる地域
- 第6章 アジア太平洋における経済秩序
- 第7章 アジア太平洋における安全保障秩序
- まとめ 「第3のサイクル」と日本の新しいグランド・ストラテジー
- 提言 「先進的安定化勢力・日本」のグランド・ストラテジー
- 結語