政策シンクタンク PHP総研代表挨拶

株式会社PHP研究所専務取締役 政策シンクタンクPHP総研代表 永久寿夫

 「治に居て乱を忘れず」。社会が安定して平和な時であっても、乱世になったときのことを常に考え、その準備を怠ってはならない。PHP研究所の創設者である松下幸之助は、孔子の言葉とされるこの格言を、政策シンクタンクPHP総研における活動の指針の一つとして示しました。

 わが国の現状は、一見して平和であり、安心して暮らせる社会のように思われます。しかしながら、危機が静かに忍び寄っているのは確実です。今後、少子高齢化と人口減少は予想以上に急速に進み、社会保障費などの増加によって財政が逼迫し、戦後長い時間をかけて築き上げてきた現在の生活が、いともたやすく崩壊してしまう恐れがあります。これはもはや多くの国民が共有する認識になっているはずです。

 国際情勢に眼を転じれば、世界経済が統合の方向に進み、全体としては豊かさを増すなかで、一地域の失敗が瞬く間に世界中に伝播し、それが各地で社会不安を誘発するきっかけともなっています。安全保障の面においても、テロの脅威がかつてないほど広くかつ強いものとなると同時に、東アジアにおける武力的緊張もパワーバランスの変化とともに高まっています。平和を享受してきたわが国をとりまく環境が劇的に変貌しているという認識も共有されるところでしょう。

 政策シンクタンクPHP総研は、「治に居て乱を忘れず」の精神で、国内外で生じるリスクを回避するとともに、次世代に持続可能な社会を継承するため、衆知を広く集め、既成概念や旧習に固執することのない創造的な政策オプションを、政治・行政はもとより世の人々に向けて提案し続けてまいりたいと存じます。

株式会社PHP研究所 専務取締役
政策シンクタンクPHP総研 代表
永久寿夫