トランプ・ショック、日本経済の勝ち筋
-『Voice』2025年6月号特集-

『Voice』2025年6月号

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トランプ政権による苛烈な高関税政策は、続く報復策の応酬や取引主義的な個別交渉とあいまって、世界に激震をもたらしています。自由で開かれた貿易を基盤とする国際経済秩序は岐路に立たされており、不確実性が高い状況が続くでしょう。

PHP総研が企画協力した『Voice』2025年6月号の特集「トランプ・ショック、日本経済の勝ち筋」では、本年2月に発表した提言報告書『開かれたジャパン・ファースト宣言(Japan First Economic Strategy with Principled Openness)』で示した論点を深堀りし、現下の構造変化の深層を捉えながら、日本経済の勝ち筋について多角的に考察しました。

新たな時代において我が国が繫栄と生存を両立させるには、望ましい経済社会へのモデルチェンジに腰を据えて取り組むことが不可欠です。本特集が、混迷する国際経済における日本の選択肢を考える一助となりましたら幸いです。

【内容】

  • 「開かれたジャパン・ファースト」を目指せ 吉崎達彦 (株式会社双日総合研究所チーフエコノミスト) トランプ2.0で世界が揺れているが、そもそも貿易戦争に脆弱である日本にとっては、経済の足腰を強くすることが求められる。経済安全保障時代の日本にとっての「勝ち筋」を三つの観点から提言する 吉崎達彦(株式会社双日総合研究所チーフエコノミスト)
  • よみがえる「昭和16年」日米交渉の悪夢 滝田洋一 (名古屋外国語大学特任教授) トランプ2.0には不確実性が多いが、同時に一定の合理性をもっているのもたしかだ。石破外交については惨状も漏れ伝わるが、米国に対していかに刺さる提案をできるか 滝田洋一(名古屋外国語大学特任教授)
  • サービス収支赤字10兆円時代の足音 唐鎌大輔 (みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト) 2024年の経常収支は過去最大の黒字を記録したものの、貿易サービス収支は巨大赤字へ。サービス収支赤字10兆円時代の到来が現実味を帯びるなか、日本の国際収支構造の変容を分析し、日本経済の今後を展望する 唐鎌大輔(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト)
  • 友好国との共同研究が経済を強くする 戸堂康之 (早稲田大学政治経済学術院教授) 友好国との知的ネットワーク・知的フレンドショアリングを広げ、日本のイノベーションを活発化させることができれば、トランプ2.0はむしろ日本経済再興のきっかけとなりうる 戸堂康之(早稲田大学政治経済学術院教授)
  • 対内直接投資拡大に必要な施策と変革 大槻奈那 (名古屋商科大学大学院教授/ピクテ・ジャパン株式会社シニア・フェロー) 投資大国をめざすと標榜している石破政権。長年の課題である対内直接投資を拡大するために求められる施策や有望な分野を考察しつつ、日本と日本人の魅力をいかに発信するかを考える 大槻奈那(名古屋商科大学大学院教授/ピクテ・ジャパン株式会社シニア・フェロー)
  • 脱炭素に勝つ自動車産業「伝家の宝刀」 池田直渡 (モータージャーナリスト/自動車経済評論家) 軽自動車とHEVが強い日本の自動車産業は、カーボンニュートラルシフトの世界において、じつはトップを独走している。トランプ関税の影響も取り沙汰されるなか、「ジャパンモデル」の本質的な強みと可能性を考える 池田直渡(モータージャーナリスト/自動車経済評論家)
  • 現実に即したエネルギー安全保障の解 保坂 伸 (前経済産業審議官) トランプ政権の誕生やウクライナ戦争停戦の可能性、そして二大運河の通航制限など劇的に変化するエネルギー環境。日本が選択すべきエネルギー政策について、資源エネルギー庁長官や経済産業審議官を歴任した保坂氏に聞く 保坂 伸(前経済産業審議官)

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『Voice』は1977年の創刊以来、「衆知を集める」との当社創設者・松下幸之助の言葉を旨に、「日本と世界のあるべき姿」を追求し続けてきました。各界を代表する識者の声を現場感覚と中庸に基づく視点で編み、実行力を伴うビジョンを提起する総合雑誌です。ぜひお求めください。

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