政令市「相模原」を地域主権社会の試金石とせよ

宮下量久 ((株) PHP総合研究所 研究員)

Talking Points

  • 神奈川県相模原市は4月に政令市へ移行した。同市は首都圏郊外の広域拠点に成長する可能性を有している。ただし、広域拠点整備を進める上では需給のミスマッチを回避するために、行政区域を越えて都市の潜在力を評価する必要がある。
  • 2000年から2005年で首都圏郊外から都心への通勤者は約8.4万人減少している。相模原市も含めた首都圏郊外は近隣地域間の通勤増加によって、都心への一極集中構造から分散構造へ転換しつつある。
  • 今後の基礎自治体に求められるのは、あらゆる都市機能を自前でもつ「フルセット型」ではなく近隣と融通し合う「都市機能相互補完型」である。限られた財源を効果的に活用するために、他都市との連携は必要不可欠となる。
  • 横浜、川崎に次ぐ政令市「相模原」の誕生によって、神奈川県が担当するのは県人口の3分の1程度になり、県の空洞化が進む。基礎自治体の役割が拡大し、広域自治体の役割が縮小することは、民主党政権の地域主権政策が目指す「基礎自治体中心主義」と合致する。
  • 鉄道等の交通や河川整備、環境対策や警察など、基礎自治体では完結しない広域的な政策課題が依然として多く存在する。道州制のような広域自治体改革のあり方も含めて、「地域主権」の具体的なかたちを検討すべきである。
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