デフレ脱却への経済・金融政策と地域経済・地方財政の展望

伊藤敏孝 (神奈川大学 指定管理者モニタリング・評価研究所 客員教授 /ファイナンシャルプランナー)

Talking Points

  • 地域経済は、長引くデフレによる低迷からの緩やかな回復基調が、リーマン・ショックと東日本大震災の二度の深刻な減速要因で暗転し、需要・供給両サイドでのマインド改善が急務となっている。
  • 地方財政は、経済の減速に加え、少子高齢化等による社会保障費の逓増傾向が義務的経費率を高め、公共事業・施設の維持修繕・更新への財政余力が著しく低下するなど一段と硬直化が進み、財政規律と住民サービスの維持向上に対する抜本的な解決策が求められている。
  • デフレ脱却に向けた現下の経済・金融政策は、地域経済の主要なプレイヤーである中小企業経営者の期待感を醸成し短期的な見通しを上向かせる一方、激変に伴う中長期的な成否の見極めが困難であることが、地域経済の足元でのモメンタム持続に懸念要因となっている。
  • 民間投資を喚起する成長戦略の具体化は、地域経済の持続的改善・成長に資するとともに、現下の地方財政が抱える最大のリスク要因である公共施設老朽化問題を解決するチャンスともなる。公共セクターにおけるあらゆる視点からの公民連携手法の展開が、持続的な地域経済活性化のカギとなる。
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