財政構造転換にむけての提言【3】
― 参考―

―「国家経営」研究会 行財政部会の基本的視点―

 今世紀後半、先進国の多くは公共的事業を際限なく自己増殖させる「福祉国家」に翻弄され、巨額の財政赤字に陥った。この問題にいち早く取り組み、成果をあげた国家は、英国、米国、ニュージーランドをはじめ、いずれも行財政その他の公的部門に企業経営の手法を大胆に取り入れ、あるいは企業化し民営化している。

 本来、企業経営と国家の運営とでは厳然とした違いがあることは事実である。しかし、例えば短期計画と中期計画の経営を複式簿記で行い、コストの削減と収益の拡大を同時に図り、事業や人の評価・処遇を厳正に行なう等、構成員や組織の個性・主体性を生かしながら「Plan-Do-Check」していく企業のやり方は、国の運営においても基本となり得る。

 今日、時代環境が大きく変化する中で、日本には工業化時代の画一的行財政からの脱皮が求められているが、それに向けた改革の基本原則は「行財政における経営の追求」に他ならない。日本は、直面する財政再建あるいはその他の政策課題を解決し、同時にその取り組みを通じて新たな行財政の質を実現していかなければならないのである。

 こうした視点に立って、当部会では各界有識者の協力を得ながら、民間・独立の立場で積極的な政策研究・提言活動を展開していく。

改革の基本原則

行財政における「経営」の追求

「起業家型」行財政

既存体制のチェックと新たな機能を常に追求する
効率性を念頭に継続的市場化チェックを怠らない
受益と負担の接近、自律性の確立を基本とする
社会的ネットワークの構築に積極的に貢献する

日本社会の再生

―創造・活力・安心―

※なお、「国家経営」研究会では、このほかに「政治制度部会」等を発足している。

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