政策シンクタンク PHP総研代表挨拶
今日、世界は歴史的な転換点に立っています。先の見えない時代です。
先進国では、成長が鈍化し、自由民主政の根幹をなす統治機構やメディアに対する信頼が低下しています。中国などの権威主義国家が経済的のみならず、政治的にも軍事的にも台頭して、近代以降の国際秩序を主導してきた日米欧先進国の圧倒的な優位が揺らいでいます。AI、ビッグデータ、ロボティクス、自動化等のエマージング技術やデータ経済化により、社会や産業が一変しようとしています。
私たち政策シンクタンクPHP総研は、この大きく変化する時代に、社会の動きと人々の想いに耳を澄まし、大局を深く捉えること、日本と世界のあるべき姿とそれ実現する具体策を、長期的視点と自由な発想で描いていくことを目指しています。様々な研究プロジェクトを通じて、幅広い領域の専門知、そして政治や行政、社会の様々な担い手の現場の経験の統合をはかってまいります。
松下幸之助は、終戦後の混乱にあって、豊かさ、幸せ、平和、そして人間について考えるべくPHP研究所を創設しました。現代においてこそ、狭い意味での政策論だけでなく、物事の根本に立ち返って考え、議論することも必要なのではないでしょうか。PHP総研は、そうした思索と議論の場づくりにも取り組む所存です。
これまで、PHP総研は、憲法、統治機構、国家の大戦略から、地域の自立、働き方、企業の社会的責任にいたるまで、幅広い、核心的なテーマについて実践的な提言を行ってきました。有事シミュレーションを他に先がけて実施するなど、前例にとらわれない、進取の姿勢も大事にしています。
これからも、繁栄・平和・幸福の実現を目指して、骨太なテーマに真っ直ぐ取組み、力強く活動を続けてまいります。皆様には、さらなるご指導、ご鞭撻をたまわりますようお願い申し上げます。
株式会社PHP研究所 取締役常務執行役員
政策シンクタンクPHP総研 代表・研究主幹
金子 将史