いちばんハードルが低い社会貢献の仕組みを提供したい

gooddo株式会社 代表取締役社長 下垣圭介 (聞き手:PHP総研 山田花菜)

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――gooddoのサイトにはNPOがたくさん掲載されていますね。それぞれの団体のページに飛ぶと、団体の情報と並んで支援金の出し手となるサポート企業が掲載されていて、そのFacebookページなどに「いいね!」をすることで、応援ポイントが貯まり、団体へ支援金が送られる、という仕組みですね。NPOとサポート企業のマッチングはどのようにされているのですか?
 
下垣:基本的にマッチングは行っていません。
 gooddoの取り組みに賛同してスポンサーになってくださった企業は、基本的にはgooddoのサイトに掲載されている全NPOのページに、その企業が掲載されているというかたちになっています。
 これはgooddoの取り組みの特色でもあるのですが、企業がNPOを応援する場合、理念や活動内容の親和性などで支援先を企業が決めるケースが多いと思いますが、我々としては、その支援先を決めるのはユーザーであっても良いのではと考えています。
 なので、一対一ではなくて、一対Nの関係をつくっていくことでユーザーが支援先を選べる仕組みを実現したいと思っています。また、そうすることで、ひとつの企業が複数のNPOを支援できるし、NPOからしても複数の企業から支援してもらえる。そういう一対Nの関係をつくっていくことで、社会貢献にそこまで関心の高くない人々が気軽に応援に参加できるチャンスをたくさん生み出せると思っています。
 ですから、企業にはどこか特定のNPOを支援したいということではなく、gooddoの取り組みにご賛同いただいて、ソーシャルセクター全体のスポンサーになっていただくという座組みになっています。
 一方で、企業からいただく支援金の行先を決めるのはユーザーであっていいと我々は考えています。どの団体のページにも同じ企業、同じ商品が載っていて、ユーザーがどの団体のページから買うかで支援金の行先が決まるわけです。この「ユーザーが決める」というところがgooddoのコンセプトのポイントでもあって、僕らが非常に推していきたい価値観でもあります。
 コンビニで買える水やお菓子の中には、「この商品をお買い上げいただくと、売上の一部がここに寄付されます」というような商品がありますよね。この場合、支援先を選んでいるのはメーカーですが、「コンビニでマークのついた商品を買うと、アプリから支援先を選んで10円分寄付できます」といったプラットフォームを僕らは将来的につくっていけたらと考えています。
 支援先をユーザーが選ぶことで、支援の幅が広がるというシンプルな側面もありますが、「どうせだったら、自分はどこを支援したいか」「自分にとって何が重要な課題なのか」ということを考えるきっかけになると思っていて、それがとても重要なことだと思っています。
 だから、何が課題で、どの団体を応援するかを決めるのはユーザーである。もっと言うと消費者であると、そういう仕組みをつくっていきたいと思っています。
 
(第二回「ソーシャルメディアが消費行動を変える」<12月13日公開予定>へ続く)
 
下垣 圭介(しもがき けいすけ)*1984年生まれ。大学卒業後、株式会社セプテーニに入社し、インターネットマーケティング事業を担当。2010年、ソーシャルメディア事業部の立ち上げに携わったことをきっかけに、ソーシャルセクターの可能性に気づき、誰もが気軽に社会貢献に参加できる仕組みとして、2013年に新規事業として社会貢献プラットフォーム「gooddo」を立ち上げる。2014年10月に同事業を法人化し、代表取締役に就任。
 
【写真:長谷川博一】

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