広島発「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクト

ピースウィンズ・ジャパン 大西純子 (聞き手:PHP総研 山田花菜)

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湘南譲渡センターにて保護犬ヨッシーと

 「変える人」No.25では、第4回日経ソーシャルイニシアチブ大賞を受賞したピースウィンズ・ジャパンで、「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトに取り組む大西純子さんをご紹介します。
 
1.災害救助犬の育成から始まった「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクト
 
――日経ソーシャルイニシアチブ大賞受賞、おめでとうございます。今回の受賞では、ピースウィンズ・ジャパンが設立当初から取り組まれてきた国際人道支援活動に加え、国内での「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトがとくに評価されたということで、「ピースワンコ・ジャパン」の取り組みを中心にお話を伺いたいと思います。保護犬の引き取りや譲渡推進などにより、今年4月には活動拠点である広島県で、ついに犬の殺処分件数0を達成されましたね。

大西:ありがとうございます。
 ピースウィンズ・ジャパンは1996年の設立以来、今年でちょうど20周年を迎えました。団体としての活動には大きく分けて海外事業部と国内事業部がありますが、国内事業部の中に、2010年11月に「犬事業部」を立ち上げました。災害救助犬やセラピードックの育成、保護犬の譲渡といった活動を行っていますが、このプロジェクトを「ピースワンコ・ジャパン」と呼んでいます。もともとは「災害救助犬訓練センター」という固い名称でしたが、もっと親しみの湧くプロジェクト名がないかなということで、ピースウィンズ・ジャパンの略称「PWJ」に引っ掛けて、「ピースワンコ・ジャパン」に改称したのです。

――もともと海外で災害時の緊急支援をメインに活動されていたピースウィンズ・ジャパンが、保護犬の譲渡や救助犬の育成という、一見関係のなさそうな活動に取り組まれるようになったきっかけはどのようなものだったんですか?
 
大西:私たちは、海外を中心に、紛争地域や大規模災害の緊急支援活動を行ってきた団体です。たとえば大きな地震があって、多くの倒壊家屋や避難民が出ているというようなときに、いち早く現場に駆けつけて、どういう被害があって、難を逃れた方々にどういう支援ができるかという調査を行います。
 ただ、その調査をしながらも、瓦礫の中に、もしかするとまだ命のある方が助けを求めているのではないかなという感じがいつもしていました。しかし、自分たちにはそれを見つける手段も救い出すすべもなくて、ずっと歯がゆい思いをしてきたのです。
 そんな中、2010年1月に起きたハイチ地震の被災地支援に行ったときに、ほかの救助団体が犬を連れている姿を見かけて、「あれは救助犬ではないか?」と。救助犬を連れたチームであれば、災害現場の調査をしながらでも、行方不明者の捜索、そして発見して人命救助ができるのではないかということで、私たちも災害救助犬を育てようということになったのです。それが2010年のことでした。

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