バングラデシュの村へ最高の授業を届けたい

NPO法人 e-Education  代表 三輪開人

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――一般的に、教育支援というと初等教育を対象に行われるイメージがありますが、敢えて「中等教育」に的を絞られたのは、その時点でなにか見えている課題があったのですか?
 
三輪:そのときの直感と、後付の理由と、それぞれいくつかあるのですが、アツと話をしながら、ひとつはそれまでの自分の人生の転機と言えるものがどこにあるかと振り返ったときに、お互い大学受験が人生の変わり目だったなと思えたことです。
 
 アツは高校時代落ちこぼれと言われていたんですが、東進と出会って、早稲田大学に合格することができた。私自身も、静岡の田舎で生まれ育ったんですが、東進と出会ったことで、東京の大学に行こうと思うことができたという経験があったんです。
 
 もうひとつは、インタビューに訪れたバングラデシュの村の高校生たちとの出会いです。男の子3人組だったんですが、「どうしても大学に行きたい」と泣いてしまったんですよ。バングラデシュでは、HSCという高校卒業試験が日本で言うセンター試験にあたるんですが、彼らは成績優秀で、HSCも問題なくいい成績で通っていたんです。しかし、大学受験のために都会の予備校に行くことはできなかった。「お金がない」と、親に断られてしまったんです。
 
 彼らとしては、お金がなくて困っている家族のために大学に行って、いいところに就職して収入を得て、家族を幸せにしたいという気持ちがある。だけど、それを実現するためのお金がない。自分のために泣いているんじゃないんです。
 
 それを見たときに、心が熱くなるというか、もはや沸騰してしまって。初等教育とかいろんなところに問題があるのもわかっているけれど、それを差し置いても自分はこの子たちのためになにかしようと決めたんです。

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