祭りで被災地に元気を取り戻したい

大船渡復興・東北三大祭り 実行委員長 甘竹勝郎

グラフ9・歩道に接近2d
歩道に接近するねぶた祭り(写真提供:東海新報社)

復興への願いを広げる盛り上がり
 
 復興を冠にするイベントは、ともすれば一過性のものとなりがちだが、この「大船渡復興・東北三大まつり」は、年を追うごとに盛り上がりを見せている。2年目には、さんさ踊りと竿燈まつりに加え、山形から花笠まつりが参加。石川県の輪島からは、切子灯籠もやって来た。
 
「切子灯籠って、私もはじめて見たんですよ。すごくきれいで立派で驚きました。地元のみなさんも見たことのない人が多かったんじゃないかな」
 
 切子灯籠に限らず、ねぶたも竿燈も花笠も、すべて見たことのある人は少ないだろうと思われた。
 
「東北の夏祭りって、大きいのも小さいのも、どこも時期が重なりますからね。自分たちの準備があって、ほかを見て歩く暇なんてないから、実物を見たことがある人って少ないんですよ。だから、いっぺんに見られる三大祭りが楽しいんじゃないかな」
 
 3年目には、さんさ踊り、竿燈、花笠に加え、ディズニーパレードまでやってきた。
 
「地元の新聞に『華麗なる演技。5万人魅了』って出たんですよ。びっくりでしたよ、人口4万人の町で5万人のお客さんですから、すごい盛り上がりでした。ディズニーがほんとうに来た、っていうのが大きかったと思いますけど、多くの人が元気づけられたんじゃないかと思います」
 
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 1年目、2年目には600mだったのルートも、3年目には830mまで伸びた。お祭りには欠かせない露店も、警察の指導でひとつ裏手の道沿いに出していたという。
 
「それで両サイドの沿道に観客がびっしりだったって言うんだからね。立錐の余地がないとは、ああいうのを言うんだって思いました。露店の方々の中には、盛岡のさんさ祭りのときより売れ行きがよかったという人もいました。ほんとうに、ほんとうにみんなが喜ぶお祭りでしたね」
 
 20人ほどだという実行委員会のメンバーはもとより、さまざまな団体や地元の方々、多くの人々の復興にかける思いがうねりとなって、三大祭りはどんどん大きなイベントに育っている。

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