「分子の連携」を進め、稼ぐ力を高めよ

伊藤達也(地方創生大臣補佐官・衆議院議員)×荒田英知(PHP総研主席研究員)

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6. 地方創生が一億総活躍の最前線である
 
荒田 ここまで地方創生に何らかのかたちで関わる当事者を念頭において話を進めてきましたが、少し外から見ている方々を意識してみたいと思います。
 これまでの1年半余りは地方創生が安倍政権の看板政策だったと思いますが、ここに来て新たに「一億総活躍」という概念が登場しました。看板が掛け変わって地方創生が失速するのではという見方をする人もいます。11月末に行われた全国知事会でも、「地方創生に向けた大きな流れを緩めてはならない」とする緊急決議を採択しました。地方創生と一億総活躍の関係について、解説を頂きたいのですが。
 
伊藤 一言でいえば、「地方創生が一億総活躍の最前線である」ということです。安倍総理を含め、政権与党として地方創生への取り組み姿勢は全く変わっていません。地方創生を成功させることによって、一億総活躍を地域の中で実現していきます。
 一億総活躍の中で「新・3本の矢」が示されました。地方創生との関係でいえば、第1の「希望を生み出す強い経済」ではGDP600兆円を目標にしていますが、すでにお話したとおり地域経済の成長力を回復させることなしには達成はできません。第2の「夢を紡ぐ子育て支援」の少子化対策については、地域それぞれに少子化の原因が異なりますから、地域アプローチが必要です。これを地方創生で後押しします。そして第3の「安心につながる社会保障」では高齢者の方々が安心して生きていくことができるように、アクティブ・シニアの方々を中心として新たなコミュニティをつくる「日本版CCRC構想」を地方創生の中で進めています。これらを推進しながら、社会保障の充実につなげます。
 ですから、地方創生の取り組みが急減速をしたり、看板が掛け変わって取り組みの重点が失われているということはありませんから安心してください(笑)。
 
荒田 最前線という言葉はまったくその通りですね。総合戦略の策定を終えてヤレヤレと思っている自治体関係者もあるかも知れませんが、地方創生は事業着手していくこれからが本番であり正念場であるということを最後に念押ししておきたいと思います。本日は、ありがとうございました。
 

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