政策提言「新しい勤勉(KINBEN)宣言―幸せと活力ある未来をつくる働き方とは―」【1】

小峰隆夫(法政大学教授)×小島貴子(東洋大学准教授)×永久寿夫(政策シンクタンクPHP総研代表)

使用写真:提言書手交

9.提言のあとになすべきこととは
 
永久 提言は発表しましたが、その実現は、なかなか容易ではありませんね。我われとしては、これから何をやっていったらいいと思われますか。
 
小峰 そこは比較優位を考えなければなりませんね。私としては、こうした提言を考えてまとめ発表する。そして、なるべく総論的に「こういうことが重要なのだぞ」と、大局的な観点から言い続ける。それを踏まえて企業なり政府なりに実践していただくことを期待します。まずは、うったえ続けることが欠かせませんね。
 
小島 ムーブメントにするためには、日本を代表するような企業にここに挙げた提言を導入してもらうことが一番だと思います。そうすると、「あの会社って、新しい勤勉のやり方を取り入れてから、社員の離職率が下がっているよね」とか、「経営実績上がっているよね」とか、「女性活用の割合が上がったね」というように、効果が数年のうちに出てくるはずです。そうしたものが出てきた時に初めて、「では、うちも入れなければ」となってくると思いますね。
 
永久 そうですね。まず、うったえ続けるということが大事だし、提言を実践してくれる企業をつくっていくのが大事。政策シンクタンクPHP総研としては、提言の中にもあったように、そうした企業を検証し、公表して、顕彰していくような、そんなことを進める必要があるかなと思います。今日はどうもありがとうございました。
 

関連記事